借金の返済ができなくなった場合、債務整理をして生活を立て直す必要があります。
特に、母子家庭(シングルマザー)のように収入が不安定な場合や少ない場合は、支出が収入を上回ってしまい借金が増える一方という事もあるでしょう。
そのため、母子家庭で債務整理をする人は年々増加傾向にあります。
こちらの記事にたどり着いた多くの方も母子家庭で生活に困っているかもしれません。
債務整理で気になるのはその後の生活がどうなってしまうのか?という事。
その点はご安心下さい。
債務整理をした多くの母子家庭が正常な生活を取り戻しています。
一番問題なのは、借金が増える状況を放置してしまう事です。
債務整理にもさまざまな種類がありますので、こちらの記事を参考にして下さい。
債務整理の種類と特徴
債務整理と一言に言っても、さまざまな種類があり、大きく分けると、
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
これらの3種類に分けられます。
それぞれには特徴があり、「どれかを選択する」というよりは、「適した債務整理を利用する」といった方が合っているかもしれません。
適した債務整理の選択は、弁護士や司法書士と進める事になります。
残念ながら個人で「この方法がいい」と思っても借金の額や収入額によっては思惑通りにならない事もあります。
ただ、それでも、『どういった種類の債務整理があるのか』という事を把握しておく事は重要です。
まずは、それぞれの特徴を確認してみましょう。
任意整理の特徴とは
任意整理は、法的機関を通さずに債務状況を整理する方法です。
具体的には、弁護士などの代理人が、債権者(消費者金融やカードローンなどの金融機関)に、
- 支払い方法の変更
- 遅延損害金の免除
- 利息のカット
などを交渉・取引をして、無理のない返済に変更してもらうという方法になります。
そのため、一般的な債務整理の「借金がチャラになる」といったイメージとは異なり、基本的に元金は返済する必要があります。
ただ、消費者金融やカードローンは金利が高く、利息のカットだけでもその効果は絶大です。
例えば、
金利18%で50万円の借金をして毎月1万円返済する場合
最終的な支払い額が93万円ほどになり
返済期間も93ヶ月
元金から考えると倍近くの返済が必要となるのです。
これは、消費者金融やカードローンで借金をしている場合に陥りやすい状態です。けして大げさな数字ではありません。
ただ、基本的に元金の返済は必要とするので、比較的返済能力がある場合に選択される手段となります。
住宅ローンがある場合で住宅を手放したくない場合は、住宅のみ任意整理の対象から外す事も可能です。
あまり知られていない事ですが、任意整理は、車や家を残したまま借金を減らす事ができます。生活への影響が少ないという事が言えるでしょう。
個人再生の特長とは
個人再生では、利息をカットするだけでなく、借金の元金も5分の1に減らしてもらえます。
任意整理は元金を基本的に返済する必要があるので、返済面では大きな違いがあると言えます。
しかし、借金が完全になくなるわけではなく、一定の返済を行うので、財産を容赦なく没収されるような事もありません。
専門的な言葉が使われていますが、分かりやすく言うと、「住宅ローンはそのまま残るけど、住宅を手放す必要はない」という事です。
もちろん、住宅ローンを支払い終えている場合も同じで手放す必要はありません。
自動車に関しては、所有権が誰になっているかによって変わってきます。
ローンを組んでいない場合や、ローンを払い終えている場合は、所有者が自分になっているはずなので影響なく手放す必要もありません。
ですが、ディーラーで組んだローンなどが残っている場合は、所有者が信託会社になっている事がほとんどで、個人再生によって車の引き渡しを求められる事があります。
自己破産の特徴とは
自己破産は、返済の見込みが全くない場合に選択される債務整理です。
自己破産をすると、税金の支払いを除く全ての借金は全額免除されます。注釈:一部例外になる可能性あり(免責不許可事由)
もちろん、その分、失うものも多く、基本的に1件の評価額が20万円以上になる財産は全て処分する事になります。
家は絶対に失う事になりますし、自動車の時価が20万円を超える場合はそれも処分されます。
その他にも、返戻金が20万円を上回る有価証券や生命保険なども処分の対象です。(総額ではなく1件あたりで20万円)
その他の債務整理
その他にも、『特定調停』と言われる債務整理の方法もありますが、これは、債権者と借金をしている本人が直接裁判所で交渉するという方法です。
債権者は基本的に金融機関で、借金問題のプロフェッショナルとなるので、おそらく、現実的な方法とはならないでしょう。
参考までに「そういった方法もあるのか」程度に考えておいて下さい。
子供への影響が心配…。どういったデメリットがある?
母子家庭で債務整理をする場合に、最も気になるのが子供への影響という事になるかと思います。
具体的にどういったデメリットが有るのか、あるいは心配な点を確認してみましょう。
学校での生活は?
債務整理をする事によって学校での生活に変化が出る事はありません。
しいて言うなら、自己破産によって家を失ってしまった場合は、引っ越し等で転校が必要になるかもしれませんが、学区内に引っ越す場合はそれもあまり関係がないでしょう。
また、アパートや県営・市営住宅に住んでいる場合は、そのまま住み続ける事が可能で、市や大家さんに追い出す権利もないので安心して下さい。
進学への影響は?
入試試験は、個人の学力、実力によって判断される場なので、親が債務整理しているからといって影響が出るようなことはありません。
また、学校側が親の債務整理の履歴を調べるような事もないので安心して下さい。
結婚への影響は?
お子さんが結婚する際にも影響が出る事はありません。
お子さんの住民票や戸籍だけでなく、債務整理をした本人も住民票や戸籍に履歴は残りません。
自ら話さない限りは伝わる事もないという事です。
子供の信用情報にも影響を与えない
クレジットカード会社やローン会社は、信用情報を確認して対応を判断します。
債務整理をした場合は、その信用情報に事故歴がつく事になり、カードを作れないなどのデメリットが出てしまいますが、これはあくまでも本人の信用情報であり子供のものではありません。
親が債務整理をしても子供の信用情報に事故歴がつくことはありませんので、子供の信用情報には影響を与えません。
奨学金が利用できない可能性
事故履歴がある場合は、基本的にお金を借りられないのが原則です。
これは、自分自身で借りるだけでなく、連帯保証人になる場合もかなり厳しい対応となるでしょう。
そのため、債務整理をした場合は、奨学金の連帯保証人になれない可能性が考えられます。
ただし、信用情報の事故履歴は5年で消える仕組みとなっており、お子さんがまだ小さい家庭では影響のない問題です。
本人に生じるデメリットは?
母子家庭という事でお子さんへの影響を先に説明しましたが、債務整理をした本人の方が影響を大きく受ける事になります。
その内容を確認してみましょう。
職業制限がかかる
自己破産をする場合、免責決定を受けるまでの間、
- 保険の外交員
- 警備会社の警備員
など、一部の職種で就けない(資格が失効してしまうので働けない)状態となります。
そのため、一時的に収入がない状態となってしまうかもしれません。
とはいっても、免責が決定した地点で資格が戻るので短期間の話です。
ただ、母子家庭という環境ではその短期間でも少なからず影響があるかもしれません。
任意整理と個人再生については職業の制限がないのでご安心下さい。
債務整理をすると事故履歴が付く
いずれの方法で債務整理をしても、信用情報に事故履歴がつく事になります。
そのため、先5年はローンを組むなど、お金を借りる行為ができなくなります。
また、現在持っているクレジットカードもクレジット会社に事故履歴が確認され次第使えなくなりますし、新規に申し込んでも審査を通るのはかなり厳しいと言わざるを得ません。
連帯保証人への影響も確認
自己破産や個人再生は、借金が免責となったり、減額になったりしますが、連帯保証人がいる場合は、それらの借金の支払い義務が連帯保証人に生じる事になります。
そのため、連帯保証人を立てている場合は、連帯保証人への影響も考慮に入れなくてはなりません。
借金の返済ができない場合は早めに相談を
借金を返済しても利息分にもならない…。
返済の目処がつかない…。
こういった場合は、悩んでいても自力で解決するのは困難かと思います。
『借金は時間との勝負』という事が言われますが、まさにその通りです。
早い段階で弁護士や司法書士に相談ができれば、自己破産ではなく個人再生に、個人再生ではなく任意整理に、あるいは、債務整理をせず済むかもしれません。
お子さんを1人で育てているとなかなか時間を作れないかもしれませんが、相談自体はさほど時間のかかる事ではありませんし、何よりお子さんのためにも早めの行動が必要です。
事態を悪化させてしまう前に、法律事務所に相談してみましょう。
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