「自己破産をすると戸籍に記録が残りますか?」
稀に、こういった質問をされる事がありますが、戸籍は親族的身分関係を明確にするためのもので、自己破産などの記録を残すものではありません。
そのため、自己破産中でも、自己破産後でも、戸籍謄本には一切その記録が記載されませんし、従来通りのものが取得可能です。
役所で自己破産の記録がされるとしたら、『破産者名簿』だけ。ですが、これも、多くのケースで自己破産の記録が残りませんし、残ったとしても、いずれ閉鎖される可能性が高いという事が言えるでしょう。
戸籍謄本が必要な場合があるけど、自己破産の履歴は関係ないんだね。
そうなるね。戸籍は、出生や婚姻、養子縁組など、親族関係を明らかにするためのものだから、自己破産は一切関係しないし、記録も一切残らないよ。
破産者名簿って方は名前からして自己破産の記録が残りそうだけど…、それにも記録が残る事がほとんどないんだね。
破産者名簿が作られる条件は、“免責の許可がおりなかった場合(※詳しく確認)”だから、自己破産の成功率が97%ほどあることを考えると、記録が残るのはごく僅かということになるよ。
もし、名簿が作られたとしても、破産者でなくなったタイミングで閉鎖されるから、一生残るという事でもない。
そもそも、戸籍とは?記載されている内容
戸籍とは、出生(いつ誰から生まれた)から亡くなるまで、婚姻関係、養子縁組、国籍など、その人の身分事項を証したものとなります。
具体的な記載項目は、
- 本籍
- 氏名
- 戸籍事項
- 戸籍に記録されている者
- 出生
- 婚姻
- 以下、筆頭者以外の4〜6の項目
この中で、自己破産に関する項目が加わりそうなのは、3の戸籍事項と4の戸籍に記録されている者かと思いますが、これらの項目には以下の内容が記録されています。
3の戸籍事項欄には、戸籍の編成、削除、改製、氏の変更に関わる項目(日付)を記載。
4の戸籍に記録されている者には、名前や生年月日、父母の名前と続柄について。
その人の生まれてから亡くなるまでの身分事項となっており、自己破産歴が記録される事はありませんし、犯罪歴などの項目も一切ありません。
元々の役割は、国が国民を管理するために、身分事項をまとめたものとなりますが、本人など一般の人でも戸籍謄本を発行してもらう事が可能で、用途としては遺産相続などに使われる事が多くなっています。
また、本籍は戸籍のある所在地のこと。「引っ越しをした場合は住民票を移さないといけない」と言われますが、これはあくまでも住民票の話しで、本籍はそのまま変更をしなくても特に問題ありません。
それどころか、本籍はどこにおいても自由ですので、国会議事堂や皇居、富士山頂、東京タワー、首相官邸、スカイツリー、大阪城、ディズニーランドなど、住所さえあれば、どこに移しても問題ありません。
また、複数人が同じ本籍になる事も問題ないため、皇居などは、かなりの人の本籍になっているとされています。
一方、住民票は、その住所に住んでいる事を証明する書類で、市内で引っ越しをする場合などでも、必ず変更の届出をしなくてはなりません。
ちなみに、戸籍謄本とは電算化される前の呼び名で、現在は、戸籍全部事項証明と呼ばれているよ。
住民票に関しても、自己破産歴は記載されない
戸籍と同じく、住民票に関しても「どこに住んでいるのか」の証明となりますので、自己破産に関する項目は一切記載されません。
そもそも、自己破産は国が用意している借金苦からの救済措置のようなもの。
それなのに、わざわざ、いつまでも「この人は破産者ですよ」という事を周知させようとはしません。国としては、早い段階で経済的更生をしてもらいたいと考えています。
役所で唯一、自己破産の証明になる可能性があるのは『破産者名簿』
役所の書類で唯一、破産をした記録が残る可能性があるのは『破産者名簿』です。
破産者名簿は、公開されている情報ではないため、本人(未成年の場合は親権者)、あるいは本人に委任された場合のみ発行および確認が可能。これを『身分証明書』と言います。
なぜ、破産者かどうかを確認する身分証明書が存在するかというと、破産者には、就けない仕事や出来ない事など、制限があるからです。
必要に応じて転職先などから『破産者でない事の証明を用意して下さい』と言われる事があり、その際に、身分証明書を発行することになります。
具体的に就けない仕事や出来ない事は、
- 弁護士
- 司法書士
- 会計士
- 税理士
- 不動産鑑定士
- 生命保険募集人
- 警備員
など。
パスポートや保険証、免許書などが一般的に身分証として有効になりますが、破産者かどうかの確認は、役所の発行する身分証明書でしかできません。
破産者名簿は自己破産の履歴ではなく、今現在、破産者かどうかということ
前述の通り、破産者には仕事や出来る事の制限がありますが、一度、自己破産をすると永遠に制限があるということではなく、破産者となっている間だけ制限があるという仕組みです。
自己破産の成功率は97%ほどとなっていますが、その一般的な自己破産のケースでは、自己破産開始から免責決定までが破産者という扱いで、免責決定後は復権したことになります。
じゃあ、スムーズに自己破産ができても一度は破産者になっているし、破産者名簿は作られるということ…?
平成17年より以前は、こういった仕組みで、自己破産を開始した人の名簿を作り、免責が決定すると閉鎖するという作業が行われていましたが、
ほとんどの人が免責になるという自己破産の成功率から、免責が認められなかった場合にのみ、裁判所から役所に通知がでて名簿が作られる事になりました。
そのため、ほとんどの自己破産者は、破産者名簿を一度も作られる事がありません。
もし、破産者名簿が作られたら、その後どうなる?
破産者名簿は公開される情報とはならないので、基本的に、先ほどのような就けない仕事などをしない限りは、表に出る事もなく、デメリットになる事もありません。
しかし、それでも自分の破産者名簿があるという状況はあまり気分のいいものではありませんね…。
ですが、その点もそこまで不安に思う必要はありません。破産者名簿はあくまでも、『破産者でないことの証明』に利用されるものとなるので、免責が不許可になったとしても、その後、復権して破産者でない状態となれば、破産者名簿は閉鎖されることになります。
長期的に破産者となる事はそこまでないかと思いますので、仮に免責が不許可になったとしても、いずれかのタイミングで破産者名簿は閉鎖されることになるでしょう。
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