自己破産で管財事件になる場合、管財人が選ばれます。
管財人とは、その言葉の通り、財産を管理する立場の人で裁判所によって弁護士から選任される仕組みとなっています。
今回のテーマは「管財人が自宅に来る事はあるのか?」という事ですが、基本的には管財人が自宅に来る事はありません。
自宅に来ない傾向は都心部ほど強く、訪問されるのはごく稀なケースとなるでしょう。
一方、地方の場合は自宅にくる可能性がやや高まりますし、管財人の中には必ず自宅を訪問する方針をとっているケースもありますので、その場合は拒む事もできません。
また、破産者の名義で家を持っている場合や、その他、高価な動産・不動産を持っている場合には訪問される可能性も考えられます。
自宅に管財人が来ることもあるんだね…。
どういった事を調べられるんだろう…。
都心部では基本的に訪問される事もないけどね。
ただ、破産者の名義で不動産を持っている場合などは、その不動産の価値がどの程度なのか確認する流れになる事は多いよ。管財人が専任される目的は財産を管理する事だからね。
動産に関してはそこまで調べられる事もない?
財産目録でどういった物を持っているか事前に報告しているんだけど、その中に、例えばピアノだったり価値のある物が含まれている場合は、それを調べにくる可能性もあるかな。
そっかー、意外に細かく見られそうだね。家族にも迷惑かかるかな…。
自宅を訪問される場合は、同居の家族にもそれなりの負担になるかもしれないけど、基本的に調べられるのは破産者の部屋とリビングとかかな。
これは管財人の判断によるんだけど、別に捜査令状がある警察の立場ではないからね。あまり強引な事はできない事情もあるから、家族の部屋まで調べられる事はまず無いと考えていいと思う。
管財人が自宅訪問するのは稀なケース
管財人の仕事は破産者の財産を管理する事ですが、基本的には面談と財産目録を利用して財産の状況を把握します。
面談に関しては必ず必要です。面談場所は管財人の法律事務所が多く、回数は1回となります(例外的に3〜4回の面談を必要とする場合もある)。
わざわざ自宅を訪問して財産を把握する事は基本的にありません。
特に、東京や大阪など都市部ではこの傾向が強くなっており、管財人が自宅に訪問する事はほとんどないと考えて問題ないでしょう。
地方に関しても基本的には訪問されない事が多いのですが、都心部よりは訪問される可能性が高くなっています。
また、管財人によっては徹底した財産調査をしている場合もあり、必ず自宅に訪問する方針をとっている場合もあるようです。ただ、これも都市部ではまずないでしょう。
破産者名義の家を持っている場合は訪問される可能性が高くなる(動産も同じ)
管財人の目的は破産者の財産を管理することとなりますので、破産者名義の家や土地がある場合は、それを直接確認するケースが多くなります。
もし、その家が現在住んでいる家の場合は、結果的に自宅を訪問される事になるでしょう。
その家を売った場合にいくらぐらいになるのかなどを確認されます。
また、財産目録に高価な動産がある場合もその現物を確認するために自宅訪問される可能性が高まるでしょう。
例えば、
- 高価な美術品
- ピアノ
- ブランド品
など。
「訪問されたくないし、処分もされたくないから財産目録に記載しないようにしよう…」と考えてしまう人もいますが、財産隠しは免責不許可事由となりますので、自己破産が認められない可能性が高まります。
特に、こういった故意の行為は悪質と判断されるので注意しましょう。自己破産できない場合は、支払った弁護士費用なども返金されませんので、自己破産前より厳しい状況に陥ります。
借金の理由が浪費の場合は自宅訪問される可能性が高まる
借金の理由が『浪費』の場合は、どういったものを購入していたか確認する目的で自宅を訪問される可能性があります。
そして、浪費で購入したものに換価する価値がある場合は、換価処分の対象となり、売却、そしてそこで得たお金は債権者に平等に分配される流れとなります。
“浪費”は免責不許可事由となるため、自己破産が認められない可能性もありますが、実際には、裁判官の裁量で免責が認められるケースが多くなっています。
しかし、こういった場合で裁量免責を勝ち取るには、裁判官や管財人に協力的である事は必須です。
その一つとして、管財人が浪費で買ったものを調査したいと判断した場合は自宅訪問を含めて受け入れるようにして下さい。
財産の調査を拒むと管財人に裁量免責を支持する書類を作成してもらえなくなりますので、裁判所の判断も厳しいものとなってしまうでしょう。
財産隠しが疑われている場合は自宅を訪問される可能性が高まる
自己破産では財産目録を提出しますが、通帳やクレジットカードの支出と財産目録に矛盾が生じる場合などには財産隠しが疑われ、自宅を訪問される可能性が高まります。
具体的には、
- 通帳では○月に〇万円おろしているけど、生活費だけでは使い切れない
- クレジットカードで大きな買い物をした形跡があるけど、財産目録ではその形跡がない
など。
こういった矛盾点は面談の際などに追求されますが、それでも管財人の腑に落ちない場合は自宅を訪問される可能性が高まります。
前項のように財産隠しは悪質な免責不許可事由で、自己破産できないリスクがあり、破産者にとってもデメリットが大きくなってしまいます。
財産を残したい心理が働くかもしれませんが、正直に申告するようにして下さい。
確認されるのは破産者の部屋やリビングなど
管財人が自宅に訪問して様々な財産を確認するとなると、同居の家族にも迷惑をかけそうですが、裁判所に選ばれた管財人といえど、警察の捜査令状のように圧倒的な権利を得ているわけではないので強引な調べ方はできません。
確認するとしても、破産者自身の使っている部屋やリビングなど。
あとは財産目録に載っているものを実際に目で確認する程度です。
基本的に、破産者以外の同居の家族の部屋などを調べるような事はしません。
また、引き出しなどを調べる管財人もいますが、それも稀なケースでしょう。管財人としても、やり過ぎで問題になることは避けたいと考えており、基本的にプライバシーに配慮をしつつ調べます。
自宅を訪問されるという事は、疑われている可能性もある
不動産も持っている場合は、いずれにしても確認する可能性が高いですが、それ以外で自宅を訪問される場合は、何かしら不審な点が見つかり、それを確認するために訪問されている可能性があります。
そのため、自宅を訪問された際に重要になってくるのは、管財人に協力的であること。
財産目録で確認したいものがあると言われた場合は、隠さず出す必要がありますし、疑いを晴らすために協力的な姿勢を示しましょう。
最終的に免責が不許可になる確率は0.15%ほどとごく僅かではありますが、不許可になった場合は、借金がそのまま残り、破滅的な状況に陥ります。
そういった事にならないよう、自己破産を決めた以上は自己破産の手続きを第一に考えて下さい。
まとめ
管財人が自宅に来る可能性があるのは、
- 都心部より地方の方が自宅訪問が多い
- 破産者名義の家に住んでいる
- 価値のある動産が多い
- 破産理由が浪費
- 財産隠しが疑われている
以上の5つです。
基本的に管財人が訪問する事は、拒めません。
しかし、事前に日時を決められた上での訪問ですので、それまでに協力できる態勢を整えておきましょう。
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