自己破産を手続き中は『破産者』という扱いになり、一部の職種に就けなくなります。
今回のテーマである警備員に関してもその職種の一つ。警備員として働く人は全国に多くいますし、収入がそこまで多くないケースもあるため、自己破産の影響を受ける事はけして少なくありません。
働けなくなる期間は、破産手続き開始から免責決定までの数ヶ月ほど。この期間は人によって異なりますが、数ヶ月と考えておきましょう。
警備員が自己破産をする場合、「本当に働けなくなるのか?」という疑問が浮かぶかもしれませんが、理屈上は警備員として働くのはNG行為です。
ただ、その一方で、裁判所や弁護士から自己破産をする旨が警備会社に伝えられるわけではないので、そのままバレずに済むケースも多いとされます。
自ら申告した場合、おそらく、解雇や自宅待機といった厳しい処分をされてしまうでしょう。
また、警備会社によっては官報を利用して破産者の情報を常にチェックしているケースもありますので、いずれにしてもバレてしまう可能性が考えられます。
破産者は警備員の仕事ができないって聞いたことがあったけど、数ヶ月程度なんだね。
そのために転職を考えるのは少し辛いし、できればそのまま働きたいと考えてしまいそうだけど…。
免責の確定までが破産者だから、意外に働けない期間は短く済むよ。
もちろん、その期間は警備員として働くべきではないし、会社への報告も入社時に約束させられてるはずだから伝えるべきだと思う。
ただ、現状としては、報告せずに働いている人も多いようだね。
そうなると、報告しない人が得をするような気がするけど…。
バレずに済むなら報告しない方が得ってことになるかもしれないけど、
会社によっては官報で確認しているケースもあるし、そこから発覚すると容赦なく解雇になる可能性が高いと思う。
官報を確認していない会社にはバレない事が多いの?
まぁ、基本的にはそうなるね。
裁判所や弁護士から会社に連絡がいく事はないし、自分から話して噂が広がったりしない限りは官報以外でバレる事はないと思う。
ただ、大手になると官報の情報をしっかり確認しているケースが多いとされているよ。
自己破産の報告は会社にするべき??
まずは、正しい意見としての話しになりますが、
法律上、破産者は警備員の仕事に就けないとされていますので、その報告は会社にするべきですし、破産者となる数ヶ月間は警備員として働く事ができません。
これは法律の話しとなりますので、バレるバレないという問題ではなく働くべきでないのは間違いないでしょう。
仮にバレてしまうと、“契約時の約束をやぶった”扱いになりますので、問答無用で解雇されてしまう可能性があります。
自ら報告した場合は、自宅待機などの処分になるかもしれませんし、いずれにしても解雇されてしまう可能性が考えられます。
もし、自己破産が言い出しづらい場合には、問題になる前に他の理由で退職し、免責が確定して復権後に再び別の警備会社に就職するという方法もあります。
警備員として就職する際に、役所で発行する身分証明書が必要になる事があり、そこに破産者かどうかの情報が記載されていますが、復権している場合には、その記録は残らないので基本的に問題なく就職可能になるでしょう。
一方でバレずに働き続ける人も少なくない
ここまでは法律上の正しい対処法ですが、その一方で、全ての人が正直に自己破産を申告しているかというと、けしてそういった環境になっている訳ではありません。
警備員として働く人は50万人以上いるとされ、自己破産をする人も10万人ほどいます。
これだけ人数が多いと、当然、警備員が自己破産するケースもあるわけですが、全ての人が正直に申告するのは無理があるはずです。
そもそも、警備業法を確認しても『自己破産をした場合は報告の義務がある』という記載はなく、自己破産で制限される職種でありながら、報告は自己申告となっています。
例えば他の職種(資格)では、
- 宅地建物取引士
- 弁護士
- 司法書士
- 土地家屋調査士
これらの士業で破産した場合には、それぞれ所属する司法書士会などに届出をするよう義務を定めており、報告をしなくてはなりません。
こういった理由から、『自己申告しなくてもいい』とするのは少し無理があるのかもしれませんが、他の職種よりは自己破産に寛容な部分があるのは間違いないでしょう。
警備員の場合、
- 警備業法
- 運用解釈の例規
- 内閣府の施行規則
これら全てで報告義務の明文化がされていません。
警備会社は破産者をチェックする!しかし働いている人に対しては
前項で触れたように、警備会社に就職する際には役所で発行する身分証明書が必要になるなど、破産者であるかどうかのチェックを厳しく行うケースが多くなっています。
理由は、警備会社の過失で破産者を勤務させるような事があると業務停止命令を受ける可能性があるからです。
警備会社は、私人に認められた範囲内で調査することが義務付けられており、それに合わせた調査を行います。身分証明書の他には『破産者ではない』という誓約書が作成されるケースが考えられます。
どういった会社でもそうですが、法律や規則で決められている事には敏感で、厳守されています。
公安委員会の立ち入り調査などが行われ、守っていない場合には業務停止命令などを受ける可能性が考えられます。
しかし、これらはあくまでも雇う際に確認する事で、今回のような既に働いている場合には当てはまりません。
既に雇っている警備員に対しては追加で破産者の確認をする義務・法律は一切なく、身分証明書を求められる事も一切ないでしょう。
法律・規則で決まっている事には敏感ですが、それらに縛られる事がない場合には、そこまで徹底した調査をする事もないのです。これはどの警備会社にも言える事でしょう。
官報からバレるケースは考えられる
自己破産をすると官報という国の機関紙に名前が記載され、誰でも確認可能な情報となります。
一般の人が確認するような情報ではありませんが、その一方で、破産者を働かせる事ができない警備会社に関しては、その情報を常にチェックしている可能性も考えられます。
特に大手警備会社に関しては、この情報をチェックしている可能性が高まります。現在は、有料サービスを利用する事で過去の情報も簡単にチェックできるので、官報の情報を独自に管理する事はそこまで難しくありません。
一方、中規模や小規模の警備会社は1万社近くありますし、全ての会社が官報の情報を確認しているとは考えづらい部分があります。
こういったケースに当てはまる場合は、バレないまま勤務できる可能性も十分あるはずです。
※隠して勤務する事を推奨するわけではありません
免責が不許可になると復権が遅くなる
破産者となる期間は、自己破産開始から免責の決定までですが、低確率ではあるものの、免責が不許可になってしまう可能性も考えられます。
もし、これに該当する場合は、破産者の期間が長引く事になり、警備員など特定の職に就けない期間も長引いてしまいます。
警備会社としても、こういった事態になる事を想定する必要がありますので、破産者を雇い続ける判断をしづらい事情があるのが現状です。
不許可になる可能性は0.15%ほどと僅かですが、自己破産をしても警備員を続けたい場合、もしくは警備員に復職したい場合は、自己破産をスムーズに済ませる事が重要になってくるでしょう。
免責不許可事由に該当する場合は、裁量免責を得られるように努力する必要がありますし、管財人や裁判所への協力を怠らないようにして下さい。
警備員の資格や検定はどうなってしまう?
警備員にはさまざまな資格があります。
- 高速道路の交通誘導…交通警備検定
- 空港の警備…施設警備検定
- 各営業所に1人…警備員指導教育責任者
スキルアップ、給料アップのためにはこれらの資格が必要になってきますが、破産をした場合にはどういった扱いになるのでしょうか?
まず、既に資格を持っている場合は、『破産者には資格者証の返納を命じることができる』と警備業法で定められており、破産後に『返納命令書』が届いた場合には、10日以内(交付日から)に返納しなくてはなりません。
しかし、あくまでも『命じることができる』とされているだけですので、実際に返納を命じられるかどうかは分かりません。公安委員会の判断に委ねる事になります。
前項で解説した弁護士や司法書士などの士業に関しては『登録が抹消される』と問答無用の規定がありますので、それに比べると警備員の資格は比較的、緩い決まりになっています。
手元に残したままにしておける可能性も充分あるでしょう。
次に、これから取得予定の場合や試験後に破産者となって資格がまだ無い場合に関してですが、
これらの取得前の状態で破産をした場合は、資格者証を受け取る事ができなくなります。
しかし、破産者でも試験を受ける事は可能ですし、既に合格や破産中に合格した場合でも、それは有効です。
あくまでも資格者証を受け取る事ができないだけで、代わりに成績証明書が交付され、1年以内に破産者から復権した場合には、その成績証明書を使って資格者証を受け取る事が可能となっています。
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