自己破産の非免責債権とは?分かりやすく解説

自己破産の非免責債権とは?分かりやすく解説

自己破産では、ほとんどの債務が免責の対象となりますが、一部例外があり、自己破産で免責が決定しても、免責の効力が及ばないものもあります。

それに該当するものの総称が今回のテーマである『非免責債権』です。

免責とは借金の返済が免除されること

全てが全て免責になるというわけではないんだね。
じゃあ、もし非免責債権が多い場合には自己破産をしてもあまり意味が無いなんて事も…??

基本的に一般的な借金は全て免責の対象になるけど、一部例外があるということだね。
確かに、もし、非免責債権が多い場合には、自己破産をしても意味がないかもしれないけど、かなり限られたケースにはなるよ。

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非免責債権とはどういったものなのか

自己破産の唯一の目的は免責をうけることで、免責が決定すると、さまざまな借金がゼロになります。

例えば、銀行からの借り入れ、消費者金融、クレジットカード(キャッシングだけでなくショッピング枠も)など、基本的に“借金”とされるものは免責の対象。

その一方で、全ての債務を免責にしてしまうと、第三者の生活が成り立たなくなってしまうケースが起こりえます。

例えば、離婚後に支払う養育費など。

こういったお金は、支払われないことで、支払先の生活が成り立たなくなってしまいます。

このような事情もあり、全てが全て免責になるわけではなく、一部、“非免責”とされる債務も存在するのです。

非免責債権とされているものは、免責の効力が一切およびません。例えば、非免責債権に延滞金が発生しても、それは免責の対象外。

非免責債権は自己破産と切り離して考える必要があります。

どういったものが非免責債権?7つの項目

具体的にどういったものが非免責債権になるのかは、破産法によって定められています。

破産法253条1項
免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権についてその責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。

1,租税等の請求権

2,破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

3,破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)

4,次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
ロ 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法第766条(同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務
ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの

5,雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権

6,破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)

7,罰金等の請求権

非免責債権とされているのは、以上の7つの項目。

条文だけでは分かりづらい部分があるので、詳しく確認してみましょう。

1,租税等の請求権

租税等の請求権とは、『税金』のことです。

破産法(97条)では、“国税徴収法又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権”を租税等の請求権としています。

まず、国税そのものの、

  • 所得税
  • 相続税
  • 贈与税

これらは非免責債権に該当します。

そして、

  • 市町村民税
  • 事業税
  • 自動車税
  • 固定資産税

これらの地方税に関しても、“国税徴収の例によって徴収することのできる請求権”に該当するため、非免責債権となります。

また、国民年金や国民健康保険の保険料に関しても“国税徴収の例によって徴収することのできる請求権”に該当するため非免責債権です。

租税等の請求権を詳しく確認

2,破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

民法 第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

不法行為に基づく損害賠償とは、

  • 損害が発生している
  • 権利侵害が過失・故意である
  • 他人の権利が害する

分かりづらい言い回しですが、他人の権利を害する行為を権利侵害行為や加害行為と言い、どういった態様なのかまでは限定されていません。

例えば、他人の車を破損させた・暴力行為によってケガをおわせたなど、こういった行為は当然の事ですが、これだけには限定されず、他人の権利を侵害している場合には、これに該当する事になります。

以上のような事情で、支払いを必要としている場合には、非免責債権とされ、免責とはなりません。

3,破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権

これは当然のことですが、故意や重大な過失によって生命・身体を害して損害賠償請求されている場合には、それに関する支払いは免責になりません。

例えば、交通事故でケガをおわせた場合や、喧嘩でケガをおわせた場合など。

これらが重大な過失・故意とされた場合には、免責の対象外。

中には、支払いきれない金額を請求されるケースもあるかもしれませんが、相手側がその金額相当の損害を被っていますので、仕方のないことです。

4,家族間で必要なお金

  • 夫婦間の協力及び扶助の義務
  • 婚姻から生ずる費用の分担の義務
  • 扶養義務に関する請求権

4の義務に関わる請求権はこれらの3つに分けられます。

離婚後に支払う養育費など、『毎月〇〇円』と支払う金額が決まっているものは、免責の対象外。

また、自己破産者が不倫をして、不倫相手と生活をしている場合など、妻には生活費を受け取る権利があるため、それに対して裁判を起こす場合があります。
そして、裁判所の判断で『月々〇〇円』支払うと決まった場合には、それも非免責債権となるため、自己破産の効力を受けない支払いとなります。

少しややこしい項目ですが、該当しても『養育費』が多いかと思います。

5,雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権

労働とは、使用者のために働く対価として、そして、労働者が働いた対価として報酬を与える契約です。

これを、『雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権』と言います。

つまり、自己破産をする場合でも、これまで人を雇い働いてもらっていた場合には、その分の給料を支払わなくてはならないという事です。

また、積立金などの使用人の預り金に関しても、自己破産の免責の対象外で返還しなくてはなりません。

改めてまとめると、自己破産をする人が、労働者を雇っていた場合、労働に対する給料などは自己破産後も支払う必要があるということです。

6,破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権

自己破産では、債権者を名簿にまとめて裁判所に提出する必要があります。

裁判所が国家機関とはいえ、個人の債務状況を把握しているわけではないので、この破産者名簿を使って自己破産の手続きが進むことになります。

しかし、時には、故意に一部の債権者を除外するケースなどがあります。(債権者には換価処分によってお金が分配されますが、それを渡さない目的など)

こういったケースでは、一方的に債権者が損失を被ってしまう可能性があるため、故意に名簿に記載しなかった債務に関しては非免責債権になると決められているのです。

ただし、例外として、破産者名簿に記載されなかった債権者が自己破産をしている事を把握している場合は、非免責債権とはなりません。

このケースでは、債権者側にも責任があると判断されます。

7,罰金等の請求権

罰金に関しても免責の対象とはなりません。

具体的には、

  • 過料
  • 罰金
  • 追徴金
  • 科料
  • 刑事訴訟費用

これらの5つが『罰金等の請求権』に該当します。

該当する可能性が高いのは、交通違反による過料や罰金など。

罰金に該当した場合には10万円を超える事も多いため、支払いが困難になっているケースもあるかもしれませんが、自己破産をしても免責にはならないため、なんとかお金を捻出して支払う必要があります。

非免責債権が多い場合はご注意を

以上が非免責債権となる7つの項目です。

中には、税金の支払いや罰金の支払いでお金に困っている人もいるかもしれませんが、それらは自己破産では解決する事ができません。

ちなみに、税金の支払いは分割や猶予をもらえるケースもあるので役所に相談してみましょう。

また、非免責債権も普通の借金もあり、両方が支払い困難という場合には、自己破産をして普通の借金だけでもゼロにしておくことで、非免責債権の支払いもスムーズにいくかもしれません。

ちなみに、自己破産は、弁護士に受任してもらい、受任通知が債権者に届いた地点でその後請求される事は無くなります。

それだけでも精神的に解放されるのではないでしょうか?

まずは、一歩、踏み出す意味でも弁護士に相談してみるようにしましょう。

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