インターネットが普及して以降、ネットで買物をするというのもごく当たり前の事となっています。
ですが、その一方で、実際に現金を支払うわけではないので、買い物をしている感覚も薄れてしまい、時には収入以上にネットショッピングにお金を使って借金をしてしまうかもしれません。
今回のテーマは、こういったネットショッピングによる借金を債務整理できるのか?ということ。
先に結論を言うと、ネットショッピングによる借金は基本的に問題なく債務整理可能です。
ですが、一点だけ。債務整理の中でも最も効力の強い自己破産をする場合には、“浪費”が免責不許可事由となってしまうため、認められないケースも考えられます。
ネットショッピングの借金が返済できずに悩んでいる人は、これらの詳細について確認しておきましょう。
ネットショッピングの借金は、周りから身勝手な借金だと思われそうだよね…。
それでも債務整理可能になるの?
基本的には、問題ないかな。
特に、任意整理と個人再生は、借金の理由が問われないから、浪費に該当していても問題ないよ。
自己破産に関しては、浪費が免責不許可事由になってしまうけど、それでも、裁判官の判断で免責になる確率が高いと言える。
ネットショッピングの借金の債務整理先の違い
ネットショッピングの借金は支払い方法の違いによって債務整理先が異なります。
クレジット払いの場合
現在の主流はこちらの支払い方法かと思いますが、クレジットカードでネットショッピングをして、その支払いが出来なくなっている場合は、クレジットカード会社を相手に債務整理する事になります。
消費者金融からの借金で支払った場合
代引きやコンビニ払いで現金を支払っている場合、支払えない分を消費者金融などで借りて支払うケースがありますが、このケースでは消費者金融を相手に債務整理することになります。
また、クレジットカードの支払いができず、消費者金融からお金を借りた場合で、両方の支払いが困難になっているケースでは、両方を相手に債務整理をする必要があります。
それ以外の借金がある場合
以下で解説する任意整理のみ、借金を選んで債務整理ができます。そのため、任意整理で借金問題が解決する場合には、前述のクレジットカードや消費者金融の借金のみを整理可能。
ですが、任意整理で解決できない場合には、他の債務整理を利用する必要があり、その場合には、自動車ローンなど生活に必要なローンを含めて債務整理することになります。
ネットショッピングを理由に債務整理する場合は、デメリットの大きさなどを考え、任意整理に収めておきたいところですが、場合によっては、他の債務整理が必要になってしまうかもしれません。
債務整理の種類とそれぞれが与えるネットショッピングの借金への影響
債務整理は、大きく分けると以下の3種類。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
基本的には『どれかを選ぶ』という事ではなく、『借金の金額や収入に応じて必要な方法が決まる』という要素が強くなっています。
では、具体的にそれぞれの効力を確認してみましょう。
ネットショッピングの借金と任意整理の効果
任意整理の効力は、利息や遅延損害金をカットして、返済期間を3〜5年(5年以上になるケースも)に見直すというもの。
例外はあるものの、基本的に元金を返済する必要があり、『元金を利息なしで3〜5年で返済する』という形になることが多いです。
任意整理の特長として、唯一、裁判所を通さずに債権者に直接交渉する方法となっており、債権者を選んで整理する事が可能。
そして、どういった形で任意整理が成立するかも交渉次第となります。※そのため、返済期間が3〜5年など決まっていない部分がある
債権者側には、任意整理に応じない権利もありますが、応じない場合には、より返済額が減る個人再生や自己破産をされる恐れがあるため、基本的にはほぼ全ての債権者が交渉に応じます。
債務整理をする側としても、借金を選んで整理できるため、ネットショッピングの借金には適した方法となる事が多いでしょう。
住宅ローンや自動車ローンなど必要な借金は残しておけます。
任意整理の効力は、利息のカットや返済期間の見直しのため、大きく効果を発揮できるのは高金利で返済期間の短い借金。
その点からも、ネットショッピングで借金になりがちなクレジットカードや消費者金融には適している方法です。
任意整理の交渉は自分自身でも可能ですが、足元を見られ、不利な条件しか引き出せない事が多いので、弁護士に依頼する事をおすすめします。
弁護士費用に関しても、他の債務整理に比べると安く、そこまで大きな負担とはならないでしょう。
任意整理の効力は限定的ですが、その反面、デメリットが少なく利用しやすい方法となっています。
ネットショッピングの借金と個人再生の効果
個人再生の効力は、債務の合計額と抱えている財産によって変動します。
①100万円未満…もともとの借金を全て返済
②100万円以上〜500万円以下…100万円を返済
③500万円超〜1,500万円以下…5分の1を返済
④1,500万円超〜3,000万円以下…300万円を返済
⑤3,000万円超…5,000万円以下…10分の1を返済
⑥5,000万円超…個人再生の利用不可
まず、債務の合計からこれらの最低弁済額が決まります。
そして、抱えている財産を換価したものを清算価値として、清算価値と最低弁済額、いずれか高額な方が個人再生の返済額となります。
そのため、借金が多いほど減額になる可能性があり、抱えている財産が多いほど返済額が多くなる仕組みです。
家や車、貯金が多い場合は、借金が全く減らないなんてことも起こるの…?
そうなるね。
借金以上に清算価値が大きい場合には、借金は減額されないから個人再生は有効にはならないよ。
元金を含めて減額になるわけですから、財産があるのに返済額だけ減るという状況は債権者が納得できません。
「借金の減額は認めるけど、財産があるならその分は返済に充てるように」というのがルールになっています。
また、任意整理と異なり、借金を選んで整理するという事ができません。
唯一、特則で除外できるのが住宅ローンですが、それ以外の借金は個人間のものでも整理の対象となります。
⇒住宅ローン特則を詳しく確認(清算価値に含まれるケースも多い)
任意整理に比べると利用ハードルは高くなりますが、それでも、財産が少ない場合や減額の対象となっても困らない借金しかない場合には有効な手段となってくるでしょう。
以下で解説する自己破産と異なり、家などを手放す必要がないのも嬉しいメリットです。
ネットショッピングの借金と自己破産の効果
自己破産の効力は全ての借金が免責になるというもの。
返済の必要がないため、手続完了と同時に借金問題から解放されることになります。
ただし、効力が大きい分、デメリットも大きく個人再生のように住宅ローンの特則もなく、全ての借金が免責の対象。
「お世話になった会社の上司だけ返済する」といった事も、偏頗弁済となり債権者平等の原則に反し、一切認められません。
また、家や土地、価値のある車や有価証券、保険などは、全て換価処分の対象で手放す必要があります。
処分で得られたお金は、債権額に応じて債権者に平等に返済される仕組みです。
借金が免責になるのに、財産を抱えている状況は債権者側も納得ができません。極限まで返済してその上で免責が認められる流れとなります。
ただ、その一方で、その後の生活に必要な日用品や、暫くの生活費として99万円の現金は残せます。
あくまでも、国が用意した経済的更生をはかる手段となっているので、全てを失うというわけではありません。
所有している家は失う事になりますが、自己破産後もアパートを借りる事は可能。99万円の現金があれば住む場所に困る事もないでしょう。
ただし、一点だけ注意点として、自己破産は唯一、借金の理由が関係してくる方法となっています。
具体的には、“浪費”が免責不許可事由とされており、ネットショッピングの借金では、収入以上に買い物をした扱いとなるため、これに該当してしまうでしょう。
ただ、その一方で免責不許可事由に該当する場合でも、裁判官の裁量によって免責が認められるケースも少なくありません。
実際、免責が不許可となる割合は0.15%ほど。浪費の他にもギャンブルなどが免責不許可事由となっており、これらが借金の理由として多いことから考えると、裁量免責になる可能性はかなり高いという事が言えるでしょう。
⇒免責不許可事由一覧
⇒免責の不許可だけでなく取消になる確率
以上のように、換価処分など失うものも多い方法ですが、借金は全て免責となるため、1からやり直す事が可能となります。
任意整理や個人再生が有効にならないほど返済が困難な場合には前向きに検討してみましょう。
早めに弁護士に相談を
以上のように、債務整理はネットショッピングの借金にも有効になるケースが多くなっています。
「どの方法が有効なのか分からない」という意見も多いかもしれませんが、実際にどの方法が有効になるかは、ネット上で調べるのではなく、弁護士に相談してから決めるものです。
借金問題は1日でも早い行動が重要。早く行動することで、任意整理で済むかもしれませんし、逆に行動が遅いと自己破産になってしまうかもしれません。
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