【自己破産と家賃滞納】退去にならない2つの方法・転居の方がいい例

【自己破産と家賃滞納】退去にならない2つの方法・転居の方がいい例

自己破産をしても、現行の民法では『自己破産をしても、それを理由を賃貸契約の解除はできない』とされています。

しかし、これは、家賃を契約通りに支払っている場合の話で、滞納がある場合には状況が異なります。

滞納がある状況で自己破産をした場合は、滞納家賃に関しても免責の対象となりますので支払う必要がなくなりますが、その一方で家賃を支払わない状況は賃貸契約の解除理由となりますので、家主からは退去を求められる事になるでしょう。

仮に、そのまま住み続けようとしても訴訟を起こされ強制退去の流れとなってしまうかもしれません。

ですが、その一方で、賃貸契約は生活基盤を維持するために必要なことでもありますので、滞納している場合でも、優先して支払う事が許される例もあり、そのまま住み続ける事が可能になるかもしれません。

『自己破産をした』というだけでは追い出される事がないんだね。そのまま住み続けられるのは有り難い!
問題になってくるのは滞納という事か…。

そもそも、滞納がなければ大家さんには自己破産の連絡がいく事はないし、自ら伝える必要もない。だから、基本的には自己破産を知られる事すらないんだ。
仮に、知られた場合でも民法で『自己破産を理由に賃貸契約の解除はできない』とされているから、破産者側が住みたければそのまま住む事は可能。
そもそも、年間10万人近くが自己破産をしているから、それを理由に賃貸契約ができなくなると住む場所のない人だらけになってしまうからね。

仮に、滞納があった場合は、それも自己破産の対象となってしまうんだよね?

自己破産は債権者の反対意見に関係なく全ての債務が整理の対象となるから家賃だけ例外というわけにはいかないね。債権者平等の原則と言われるものだけど免責の対象となり家賃も支払う必要がなくなる。
自己破産自体を理由に賃貸契約の解除はできないけど、こういった場合は、家賃を踏み倒した扱いになるから、退去を求められる事になると思う。

やっぱりそうだよね…。家賃だけ都合よく支払う事が認められる事はないのか…。

厳密には他の借金が滞った地点で家賃だけ支払うのは債権者平等の原則に反するから偏頗弁済となってしまう。
ただ、住む場所は生活基盤となるから数ヶ月程度の滞納なら優先して返済が認められる事があるよ。
この点は、裁判所によって判断も異なるし、代理人の弁護士と相談して決めていく事が重要かな。

既に返済が苦しい場合は匿名で利用できる無料減額シミュレーションを確認!借金が0になる事も司法書士法人みつ葉グループ借金の減額診断

自己破産を賃貸契約解除の理由にはできない

自己破産をすると、これまでの生活のさまざまなものが崩れてしまうというイメージを持っている人が多いかもしれません。

住んでいる場所に関しても『出ていく必要がある』というイメージが強いかもしれませんが、これは破産者の名義の家に住んでいる場合で、この場合には家が換価処分の対象となるため出ていく必要があります。

しかし、賃貸に関してはそもそも破産者の財産ではないため処分する必要がありません。

そのため、大家さんや不動産会社に自己破産が伝わる事もありませんし、滞納等の他の契約解除の理由がない限りは出ていく必要もありません。

かつては民法で『自己破産をした場合は賃貸契約を賃貸人から解除できる』と定められていましたが、この条文は平成16年に削除されました。

わざわざ削除したわけですから、『自己破産を理由に賃貸契約の解除はできない』と国が決めたという事です。

仮に、大家さん側に自己破産が伝わって退去を求められたとしても、家賃滞納等の理由がない限りはそれに従う必要もありません。

そもそも、大家さんには何も迷惑をかけていない状況ですし、もし、しつこく退去を求められる場合は、代理人の弁護士に間に入ってもらうなどの対処をしましょう。

ちなみに契約書の内容に『自己破産をした場合は契約を解除する』という項目が含まれている場合でも、基本的にこういった特約は無効とされています。

実際に、最高裁の判決で無効とした例もあります。

家賃滞納がある場合は退去理由となる

家賃の滞納がない場合は自己破産をしても問題なく住み続ける事が可能ですが、もし家賃滞納をしている場合はかなり不利な立場となってしまいます。

ちなみに、ガスや電気など生活に必要なものは『断続的給付を目的とする双務契約』に該当するとされ、これに該当するものは自己破産前の未払いを理由に、破産決定後に契約の解除や供給の停止をする事はできないと定められています。

しかし、賃貸契約に関しては双務契約が該当しないとするのが一般的な見方で、自己破産前の滞納を理由に契約を解除しても問題ないとされています。

理屈としては、契約時に部屋を渡して給付が完了しており、断続的双務契約とは異なるというものですが、ガスや電気などの大きな企業とは異なり、家賃収入に頼って生活をしている大家さんも多いという事情も考慮に入れられているかもしれません。

つまり、自己破産の手続き開始後から家賃をしっかり支払っていても、自己破産開始前に滞納をしており、それが免責となっている場合には、それを理由に家主側から賃貸契約の終了を求める事ができるという事です。

家賃を支払ってこそ賃貸契約が成立しますので仕方のないことですが、破産者側は非常に弱い立場となってしまいます。

自己破産前に滞納家賃を支払うのもNG。自己破産に失敗するリスクも…

以上の仕組みから、自己破産前には滞納家賃のみ優先して支払っておきたいように感じるかもしれませんが、自己破産では一部の債権者のみに優先して返済をする行為は偏頗弁済とされ、債権者平等の原則から免責不許可事由となってしまいます。

弁護士が受任して受任通知が債権者に届けられてからは、取り立て等が止まりますが、その一方で債権者に自ら返済する行為もNGです。

家賃に関しても、自己破産開始後に発生する月々の家賃の支払いは問題ありませんが、それ以前の滞納分については返済する事が認められません。

優先して返済した場合は、管財人に否認権行使をされ、返済した行為を取り消され、管財人が大家さんから偏頗弁済分を徴収する流れとなる可能性があり、行為が無効となるだけでなく大家さんにも多大な迷惑をかけてしまいます。

また、偏頗弁済は免責不許可事由となるため、最悪の場合、自己破産に失敗して全ての借金が残ってしまうかもしれません。

数ヶ月程度の滞納なら優先して返済する事が認められる事もある

滞納をしたまま自己破産をすると多くの場合で退去する流れとなりますが、これを防ぐには、滞納分の家賃を返済する必要があります。

本来であれば、一部の債権者を優先する事はNG行為ですが、その一方で自己破産の目的は、借金苦で苦しむ人の経済的更生でもありますので、その目的を達成するために例外的に優先的弁済を認める例もあります。

住んでいる場所からの退去はまさにそれに当てはまる部分があり、裁判所によっては数カ月分程度の家賃の優先的支払いを認める例も少なくありません。

具体的に何ヶ月分を認めるかは裁判所によって異なる

ただし、ここで注意したいのは優先して滞納家賃を支払うよりも転居した方が金銭的メリットが多い場合もあるという事です。

自己破産の免責の対象にできれば、滞納した家賃を支払う必要がありませんので、そのお金で新たに賃貸契約を結ぶ事も可能になるかもしれません。

こういった点も考慮に入れて支払いを検討する必要があります。

大家さんの理解を得て支払いを延ばしてもらうという方法も有効

自己破産では一部の債権者に優先して返済する事が認められませんが、自己破産開始決定以降に得たお金は新得財産で自由に使う事ができますし、自由財産として認められたお金も自由に使う事が可能です。

自由財産とは

免責不許可事由がある場合は自由財産でも使い方に注意

そのため、大家さんの了承を得て、破産開始後に免責になった滞納家賃を返済するという方法も有効。

了承とは、支払う代わりにそのまま住み続ける事を認めてもらうという事です。

家族に支払ってもらうケースも多い

自己破産では優先した返済が認められませんが、これは自分の財産で偏った返済を禁じられているというだけで、家族など他の人のお金で返済する事までは制限されません。

そのため、配偶者や親のお金から滞納家賃を返済するという事は問題ありません。

もし頼れる人がいる場合にはこの方法も有効になってくるでしょう。

強制退去までの期間

家賃の滞納をした場合、退去を求められる事になりますが、即刻、追い出されるような事はありません。

まず、賃貸契約の解除をするには少なくとも2ヶ月以上の滞納が必要です(3ヶ月以上とする場合も多い)。

そして、解除予告をして1週間後などに契約解除となります。

しかし、この段階では強制退去まではできません。

強制退去にするには、その後、建物(不動産)明渡訴訟をする必要があり、確定判決が出るまでに2〜3ヶ月程度はかかるようになっています。

そして、確定判決後、明渡催告が1ヶ月ほどの期間でされ、その後、強制執行される流れとなります。

こういった複雑な仕組みから家賃滞納をした場合でも、半年近くは強制執行がされないのです。

大家さん泣かせの仕組みではありますが、この期間を使って次の住居を探す事は可能となるでしょう。

自己破産後に賃貸契約が出来なくなる例・注意点

⇒あなたの借金をどれだけ減らせるか?無料減額診断へ

無料・匿名で借金がいくら減額になるか確認

当サイトをご覧になられている多くの人は借金問題で悩んでいる状況かと思います。

皆様のお役に立ちたく、当サイトを運営していますが、その第一歩として無料匿名シミュレーションの利用をお勧めします。

以下のサイトでは、1分ほどの簡単入力で借金がいくら減額になるのか確認可能。

地域や借入れ状況から、あなたの状態にあった専門家をマッチングしてもらう事もできます。

まずは、一歩踏み出してみましょう。

⇒司法書士法人みつ葉グループ借金の減額診断

自己破産カテゴリの最新記事