光熱費の滞納は自己破産でなくなる?水道代など一部は免責にならない

光熱費の滞納は自己破産でなくなる?水道代など一部は免責にならない

自己破産を検討している人は、既に借金の返済が困難になっている事が多いため、借金だけでなく、光熱費なども滞納している場合が少なくありません。

こういった、いわゆる『借金』とは性質が異なるものでも自己破産の免責の対象になるのでしょうか?

免責…借金の返済が免除されること(借金がなくなる)

先に結論をいうと、自己破産を申立する前の滞納に関しては大部分が免責の対象となります。

ただし、申立後は支払う必要がありますし、水道料金の中でも下水道使用料に関しては性質が異なるので免責にはなりません。

確かに借金の返済ができないと光熱費も滞納してしまいがちだよね。中にはそれだけでも数十万円の滞納になる場合もある。
でも、使った分の請求だから借金とは性質が異なる気がするけど…。それでも免責にはなるんだね。

自己破産は債務整理の一つの種類だけど、借金を整理するだけでなく名前の通り『債務』全般を整理する事が可能だよ。
だから光熱費のように使用した事に対する請求でも基本的には免責の対象になる。そもそも光熱費だけでも数十万円の滞納がある場合も考えられるし、それを免責にしないと、自己破産をしても経済的更生が困難になってしまうからね。
債務整理はあくまでも借金で首が回らない人が利用する手段だから、優遇される部分があるんだ。

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光熱費の滞納も免責になる!ただし、注意も必要

自己破産の申立をする場合、全ての債務を申告する必要があります。

具体的には、銀行で組んでいるローンや消費者金融、クレジットカードなどの一般的な借金だけでなく、友人や職場の同僚など個人間の借金も申告の対象。

光熱費に関しても滞納している分がある場合には、それを申告する必要があります。

そして、自己破産の申立をした日の前月分までの債務が破産債権となり免責の対象です。

申立をした以降の新たな債務に関しては免責の対象とはなりません。

申立後の借金に免責を認めてしまうと、免責になる事を分かっていながら借りるという矛盾した状況になってしまいます。そのため、免責が一切認められない。

こういった仕組みから、光熱費の免責に関しても、自己破産の申立をした前月分までは免責の対象となりますが、申立をした月以降は免責が認められません。

自己破産は、申立をしても実際に手続きが開始されるのに3ヶ月ほどかかりますし、免責決定までは半年ほどの時間を必要とします。申立後もライフラインは使い続ける必要がありますので、その支払いも考慮に入れて自己破産を進める必要があるでしょう。

自己破産の申立以降、普通の借金はできないが光熱費の滞納は起こり得る

自己破産の申立をすると、その旨が債権者にも届きます。

そして、そのタイミングで信用情報には事故情報が残り、いわゆるブラックリストと呼ばれる状態になるため基本的に新たな借金は一切できなくなります。

そのため、前述のような、申立をした月以降の借金は基本的にできない仕組みになっています。

ですが、光熱費に関しては状況がやや異なります。申立をした月以降も電気やガス、水道は多くのケースで使い続ける事が可能となるため、新たな滞納をしてしまう可能性があるのです。

自己破産をしてせっかく他の借金が無くなっても、既に数十万円の滞納をしているといった状況もありえるでしょう。

重要なのは、自己破産によって確実に経済的更生をすること。自己破産はそうそう使える手段ではありません(7年間は2回目の自己破産ができない)。

そのため、これらの滞納はできるだけ避けるようにして下さい。これまで借金の返済ができていなかった場合には、感覚が麻痺して滞納してしまうケースも多いとされています。

ですが、それらはいずれにしても支払う必要があるお金です。

自己破産申立後は、借金の返済が必要なくなるので、これまでよりお金に余裕がでてくるでしょう。アルバイトなどの収入でも十分支払えるはずです。

下水道使用料は非免責債権

さらに注意点として、水道料金の中でも下水道使用料に関しては、免責が認められない債務となるので自己破産申立前の滞納分も支払う必要があります。

破産法第47条4号
国税徴収法 又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの

この条文では『租税等の請求権』に関しては免責の対象外と定めています。

普通地方公共団体の長は、分担金、加入金、過料又は法律で定める使用料その他の普通地方公共団体の歳入につき第一項の規定による督促を受けた者が同項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、当該歳入並びに当該歳入に係る前項の手数料及び延滞金について、地方税の滞納処分の例により処分することができる。

そして、これが下水道使用料が『租税等の請求権』に該当するとしている条文。

下水道使用料に関しては、法律によって使用料が定められています。そのため、所得税や住民税、国民年金などと同じく『租税等の請求権』に該当し免責の対象から外されているのです。

以上の理由から、下水道使用料に関しては、自己破産の申立前の滞納分も申立後の使用分も両方支払う必要があるという事になります。

租税等の請求権以外の非免責債権

上水の水道使用料に関しては、法律によって料金が定められているわけではないので、他の光熱費と同じく、申立日の前月までが免責の対象として認められています。

申立をすると電気・ガス・水道は止められる?

自己破産の申立をすると、それまでに滞納した光熱費が免責となりますが、免責となった場合にはライフラインを止められてしまうのでしょうか?

ちなみに、通常の借金を免責にした場合は、銀行なら口座が凍結されますし、自動車ローンなどは車を引き上げられてしまいます。

この点に関しては、継続的給付の義務を負う双務契約は、破産開始により弁済されなかった事を理由にライフラインを止める事はできないと破産法で定められており、免責を理由に止められる事はありません。

破産法55条第1項 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。

繰り返しになりますが、自己破産はあくまでも経済的更生をはかるために国が用意している救済措置。

そのため、自己破産をした事を理由に生活ができなくなる状況にはならないよう法律で守られています。

ライフラインに関しては、まさに生活に欠かせないもの。たとえ、免責により債権者側(電力会社やガス会社など)が弁済を受けられない事態になっても、自己破産者側が守られる仕組みになっているのです。

ただし、申立後も滞納を続けると止められる可能性が…

先ほどの破産法では『破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない』としています。

ここで注意したいのは『開始後』とされているという事です。

自己破産は申立をしてもさまざまな準備があるため実際に開始されるのは3ヶ月ほど後となります。

ですので、申立後に滞納を続けるとライフラインを止められてしまうかもしれません。

止められる目安としては、水道料金で半年、ガス・電気が3ヶ月の滞納とされますが、できるだけ滞納なく支払う努力をしましょう。

光熱費を優先して支払っても偏頗弁済とされないケースが多い

申立後もライフラインを止められる恐れがあるという理由から、光熱費を優先して支払うケースがあります。

本来であれば、一部の借金を優先して支払う行為は偏頗弁済とされ、債権者平等の原則に反します。これは免責不許可事由で、免責が認められない可能性も。

偏頗弁済以外も。免責不許可事由一覧

自己破産は、債権者が反対をしても強制的に免責の対象となるため、一部の債権者を優遇して返済する行為が認められません。

自己破産では換価処分によってさまざまな財産が処分されますが、そこで得られたお金に関しても債権額に応じて債権者に平等に分配される仕組みとなっています。

しかし、光熱費に関しては事情が異なります。

そもそも光熱費は通常の借金とは異なりますし、生活に必要な公共料金となるため、優先的に支払っても偏頗弁済と判断される事はまずありません。

仮に、免責不許可事由として問われる事になっても悪質性が低いので裁判官の判断で裁量免責になる可能性が高いでしょう。

まとめ

以上のように、光熱費も下水道使用料以外は、免責の対象です。

ただし、自己破産申立後の料金は支払う必要があるので、止められないように優先して支払える環境を整えましょう。

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