自己破産では破産者となっている間は一部の職業に制限がでるため、それらの仕事に従事できなくなります。
代表的なものとして多いのが警備員の仕事。「なぜ警備員の仕事が制限されるのか?」という疑問の意見も多いのですが、現状として一定期間、働けなくなります。
その他、弁護士や司法書士、宅地建物取引士など、士業関連の仕事も基本的に職業制限の対象となり働けなくなる期間があります。
再びこれらの仕事に就くには、破産者の状態が終了し、復権する必要がでてきます。今回は、この復権のタイミングについて確認してみましょう。
士業全般がダメとなると職業制限を受ける人って意外と多いのかもしれないねー。
確かに、そうなるね。それに警備員の人数は50万人以上とされているから、それだけでも影響を受ける人は少なく無いと思う。
でも、復権ができれば再び働く事ができるわけか。復権のタイミングがいつかによって大きく影響が変わりそうだね。決まった期間で復権ができるの?
いや、期間は人それぞれなんだけど、基本的には長くても半年ほどかな。短い場合は3ヶ月もあれば復権できる。
自己破産の多くは免責が認められるわけだけど、免責になればその地点で破産者でなくなるから、復権した事になるんだ。
なるほど。それなら職場への影響も最小限にできるのかな…。
職場の判断がどうなるかは分からないけど、制限がある間は他の部署にまわしてもらえるかもしれないし、順調に復帰できるケースもあると思うよ。
『破産者』という期間は限定的
芸能界などにも破産を経験した人がおり、そういった人に対しては「破産者」というイメージが残ってしまいますが、破産者となるのはあくまでも免責が確定するまでなど決まった期間の話で、永遠に残るものではありません。
芸能人などの破産者のイメージは烙印を押されているようなイメージでしょうか…。実際にはとっくに破産者ではないんですけどね…
基本的に破産者となる期間は長くても半年と考えて下さい。イレギュラーな状況では10年間など長期間破産者となる事もありますが、これはレア中のレア。まず該当する事もないでしょう。※具体的な解説は後ほどします
破産者で無くなることを復権と言いますが、復権後は、破産者の間は制限があった職業でも問題なく就くことが可能です。制限は一切残りませんので従来通りですし、破産未経験者と変わらない仕事ができることになります。
その他、破産中には郵便物を確認されたり、引っ越しができないなどさまざまな制限がありますが、こういった点も含めて、借金が0になるという大きなメリットを考えると仕方のないことかもしれません。
復権のタイミングはどう決まる??
復権のタイミングは4つ。
ただ、ほぼ全員が1つめの方法で復権する事になりますので、その点だけ理解しておけば問題無いでしょう。
1,免責許可が決定
自己破産は基本的に免責を認める方針となっているため、全体の98%ほどの人に免責の許可がおりることになります。
そして、免責の許可が決定すると同時に、破産者ではなくなりますので、復権した扱いとなります。つまり、自己破産が順調に進めば自動的に職業制限もなくなるということです。
大多数の方はこの方法で復権します。期間は3ヶ月〜半年ほど。管財事件になるとより長くなる傾向にありますし、免責不許可事由に該当する場合は面談の回数などが増える事があり、さらに長くなる傾向にあります。
とはいっても、長くなる事を含めても半年ほどで復権できるでしょう。
復権は免責の決定と同時に自動的になりますので、特別な手続きもありません。
2,破産手続きの廃止
これはかなり稀なケースですが、債権者の同意を得て破産手続きの廃止が決定する事があります。そして、廃止が決定すると復権します。
ただ、債権者は配当を受けられなくなりますし、全ての債権者の同意が必要となるので現実的とはなりません。そのため、このケースに該当する事は基本的にないかと思われます。
3,再生計画の認可が決定した時
数%ほどの確率ですが、自己破産で免責の許可がおりない時があります。
そういった場合の選択肢は、何もしないか再生計画を申立てるか、このいずれかになりますが、後者の再生計画の申立を選択した場合は、再生計画の認可が決定した段階で復権する事になります。
4,免責の不許可後10年
一方、不許可後、再生計画の申立をしなかった場合でも、詐欺破産罪に問われない限りは、10年間で復権する事になります。
先ほどの稀なケースで10年間復権できないケースがあるとしましたが、これに該当した場合のことです。といっても、自ら再生計画を申立しない判断をしているわけですから、復権を早めるかどうかは自分次第という部分が大きいでしょう。
申立による復権
ここまで紹介した復権方法は、特に申請を必要とせず、条件を満たした場合は自動的に復権となる方法です。これを当然復権と言います。
一方、当然復権とは別で、申立をすることで復権する方法もあります。これを申立による復権と言います。
申立による復権をするには、もちろん、条件がありそれを満たす必要があります。基本的な考え方は借金がなくなること。
例えば、
全ての借金を返済した場合、この状況なら借金がないので申立により復権可能です。
それ以外にも、時効により借金が無くなった場合や、親の財産で返済した場合、相続で得たお金で返済した場合などは、いずれも借金がなくなるので申立による復権が可能となります。
これらは、大前提として免責が不許可になったその後の話です。免責になった場合にはその地点で復権となりますので、申立の必要はなくなります。
不許可になって、その後、再生計画の申立もしなかった場合は、そのまま10年間、破産者となりますので、その期間で復権をしたい場合は自ら申立をする形となります。
復権の確認方法
多くの方は自動的に復権する当然復権ですので手続きもなく復権の実感が湧かないかもしれません。
そもそも復権を確認する必要もない事が多いのですが、確認する方法を挙げるとしたら、役所で発行できる身分証明書によって確認可能です。
身分証明書では、破産者かどうかの確認が可能です。過去に自己破産をして破産者となった場合でも復権を済ませている場合は、その履歴が残る事がありません。
『破産者でない証明=復権をしている』という事です。これが唯一、復権を確認できる方法となりますので、心配な場合には役所で身分証明書を発行してみましょう。
復権とブラックリストは異なる
復権とは、あくまでも職業の制限がなくなること。
一つ、勘違いされがちな事として、ブラックリストの解除がありますが、ブラックリストの解除は、再び借金やクレジットカードの審査に通りやすくなる事を指す言葉で、復権とは別物です。
復権に関しては、多くのケースで半年以内となりますが、ブラックリストの解除に関しては、最長で10年かかり、桁違いに長い期間を要します。
借金を免責にした企業だけでなく、ブラックリストの情報は信用情報機関を通して共有されますので、全ての企業から借金はしづらいと考えて下さい。『ブラックリスト=借金が禁止される』という事ではありませんが、自己破産の過去が把握されるので厳しい審査がされるでしょう。
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