任意整理を簡単に説明すると、『利息や遅延損害金をカットして、残額を3〜5年で返済する方法』と、表現されます。
この説明だけ聞くと、「利息がカットされるのなら、これまで支払った利息もカットされるのか?」「大分、返済額が減るのでは?」という印象を受けるかもしれません。
確かに、返済総額は任意整理をする事で減額される事になりますし、返済期間が伸びる事で月々の返済負担も大幅に軽減されるかもしれませんが、先ほどの説明から受けるほどの効力が期待できない事も少なくありません。
具体的に、どういった項目がカットされるのか確認してみましょう。
利息のカットは、主に『経過利息』と『将来分利息』を指す言葉
任意整理でカットされる利息は、経過分と将来分に分けて考える事が多いのですが、特に経過分に関しては、言葉のニュアンスとは異なる効力となることが多いので注意が必要です。
将来分利息とは
まず、将来分に関しては、その言葉の通り、今後返済していく分に対する利息です。
任意整理は、債権者に交渉をして、カットする項目と今後の返済スケジュールが決められますが、
それらの取り決めが決まる事を『和解』といい、和解が成立すると、その後、返済が再開する流れとなります。
将来分利息は、その和解成立後の返済に対する利息の事。
カットされる割合は、多くの場合で、全ての将来分利息。つまり、任意整理後の返済は利息の上乗せ無しで返済できる事が多くなっています。
しかし、任意整理は裁判所の関与しない債権者と直接話し合いをする手段となるので、債権者が将来分の利息を要求するのであれば、全てカットとはならないケースも考えられます。
ただ、全てカットとはならなくても、数%程度の金利まで下げてもらえる事が多いので任意整理をするメリットは充分あるでしょう。
消費者金融の借金は20%ほどの高金利となっている事が多いから、数%の金利が残っても返済総額は大きく下がる事になるよ。
もちろん、全てカットされるのが理想だけど…
経過利息とは
経過分の利息は、一見、これまでに支払ってきた利息のように感じ、支払い済みの部分が返還されるようにも感じてしまうのですが、
ここで言う『経過』とは、主に、最後に返済したタイミングから任意整理の和解が成立するまでの期間を指します。
そのため、支払い済みの利息がカットされるという意味合いにはなりません。
また、経過利息に関しては、将来分の利息ほど確実にカットされる訳ではなく支払いを必要とする可能性もあります。
弁護士は、経過分の利息もカットできるように努力をするという方針で交渉しなくてはなりませんが、それに応じてもらえるかは債権者次第となります。
また、弁護士を介さずに任意整理をする場合は、よりカットするのが難しくなってしまうかもしれません。
支払い済みの利息が返還される例とは
ここまで紹介した利息のカットは、あくまでも支払っていない部分に対する項目ということになりますが、支払い済みの利息に関しても例外的に返還されるケースがあります。
まず、任意整理を開始する場合は、弁護士が債権者に対してこれまでの取引履歴の開示を求め、
その取り寄せた取引履歴を利息制限法に引き直し計算をした上で、支払い方法の取り決めやカットする項目について話し合いがされる事になりますが、
利息制限法に引き直し計算をした際に、利息制限法の上限を超えた利息を支払っている事が発覚するケースがあります。
この場合は、法律で決められている以上の利息を支払っていたという事になるので、無効という扱いになり、返還されることになります。
とはいっても、現金で返還されるわけではなく、残っている借金に対して相殺される形です。
この一連の流れは、正確には過払い金請求に該当します。
もし、この支払い過ぎている利息が多かった場合は、借金も大幅に減るため、将来分の利息カットや返済スケジュールの見直し作業をする必要がなくなるかもしれません。
もし、それらを必要としないで、支払い過ぎた利息の返還だけで済むようでしたら、過払い金請求は債務整理の扱いにならないため、信用情報にも事故情報が残らずブラックリストにならずに済みます。
ただし、手続き前に滞納した期間が3ヶ月以上ある場合は、滞納を理由に事故情報が残っている可能性があるから、その場合は、債務整理をせずに済んでもブラックリスト状態となってしまうよ。
過払い金の請求が裁判で認められたのは2007年。
それ以降、消費者金融やクレジットカードは、金利を下げているので基本的に、利息制限法を大幅に上回る利息を支払っているという事例はそこまで多くありません。
ただ、長期間に渡り返済をしている借金を任意整理する場合は、多額の過払い金が発生しており大きく返還されるかもしれません。
債務整理を専門としている弁護士が心強い
病院に眼科や耳鼻科があるのと同じように、債務整理を専門としている法律事務所があります。
やはり手続きになれている弁護士に受任してもらった方が確実ですし、いい結果に繋がります。
特に、任意整理は交渉によって結果が大きく変わってくる手続きです。
普段から任意整理の交渉をしている弁護士は、その作業に慣れていますし、債権者側の担当者ともパイプを持っていますので、話がスムーズに進む事が多くなります。
前項で説明したような、経過利息のカットや、将来分の利息が全てカットできるかなど。数%でも変われば長い目でみると大きな違いになってきます。
また、返済期間も3〜5年で決着しますが、3年と5年でも全く違いますね。できるだけ、交渉を有利に進めて5年での返済を勝ち取りたいところです。
餅は餅屋で、弁護士の中でも債務整理を専門としている人が、交渉で大きな力を発揮すると考えて下さい。
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