【個人再生の住宅ローン特則の仕組み】滞納している場合や清算価値は

【個人再生の住宅ローン特則の仕組み】滞納している場合や清算価値は

本来、個人再生は全ての借金が整理の対象となり、大幅に減額されますが、例外的に住宅ローンのみ整理の対象から外すことが認められています。

それが今回のテーマである『住宅ローン特則』。住宅ローンを整理の対象から外すことで住宅の抵当権を行使されることなくそのまま住み続ける事が可能となります。

しかし、個人再生前に住宅ローンを滞納している場合など、ローン契約を果たしていない場合にはどうなってしまうのでしょうか?

また、住宅ローン特則を利用しても個人再生後の返済額が増えてしまうケースもあります。

今回は、住宅ローン特則について詳しく確認してみましょう。

住宅ローンだけが特別なんだね。

住宅を失うと生活再建が大変になるからね。
個人再生は部分的だけど返済もしているから、例外的に住宅ローンだけ残す事が認められているんだよ。借金が全て無くなる自己破産では住宅を残す事は一切認められない。

でも、住宅ローンが残るって事は、住宅ローンはこれまで通り払い続けるの?

住宅が残る以上、住宅ローンの残債が減額になる事はないよ。
でも、返済期間の延長が可能だし、優遇措置が認められるからこれまでよりは返済が楽になると思う。

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全ての住宅ローンで特則を使えるわけではない!住宅ローン特則の利用条件

まずは、ご自身の住宅ローンが、住宅ローン特則の有効になるローンなのかという部分を確認してみましょう。

条件は以下の6つの項目。

  1. 個人再生を行う本人の所有物
  2. 不動産の購入に必要な資金を分割払いにしている
  3. 床面積の半分以上が住居用
  4. 住宅に銀行などローン先の抵当権がある
  5. 他の借金の抵当権がない
  6. 保証会社の代位弁済から6ヶ月以上経過していない

条件は、ごく基本的なもので高いハードルとなるものは通常の住宅ローンであれば無いはずです。

基本的には、債務者の所有物で事業用でなく住居用でローンがあれば条件を満たすと考えて問題無いでしょう。

住宅ローンは通常、銀行などの抵当権がついており、その抵当権があるために住宅ローンを整理の対象にすると住宅を競売にかけられる事になります。

既に銀行などの抵当権があるため、普通の住宅ローンであれば、住宅に他の借金の抵当権があるという事もないはずです。

住宅ローン特則が認められれば、住宅ローンが残る代わりに、住宅を残す事が可能。この制度が利用できるかどうかで今後の人生にも大きな違いがでることになります。

『保証会社の代位弁済から6ヶ月以上経過していない』という条件が滞納でも認められるかの分岐点

住宅ローン特則の条件の6つめに『保証会社の代位弁済から6ヶ月以上経過していない』というものがありますが、この条件によって滞納していても住宅ローン特則が利用できるか状況が変わることに。

ローンの返済が滞った場合には、ローンを提供している銀行などが保証会社に保証債務の履行を求めて代位弁済が行われます。

簡単に言うと、債務者が滞納をすると保証会社がローンを銀行に支払うということです。

代位弁済をされた地点で期限の利益の喪失となり、ローンが実質無効で一括での返済を求められる(残りの借金すべてを)

代位弁済が行われるまでの期間は、ローンを滞納して3ヶ月ほど。

そして、住宅ローン特則の条件は『保証会社の代位弁済から6ヶ月以上経過していない』とされているので、代位弁済がされてから6ヶ月経過していなければ滞納をしていても住宅ローン特則を利用できることになります。
※滞納から6ヶ月ではない

代位弁済から6ヶ月ならまず問題なさそうだね。でも6ヶ月を超えた場合は?

6ヶ月を超えると条件を満たせないから住宅ローン特則は利用できなくなるよ。
要するに、住宅ローンも整理の対象になってしまう。
でも、代位弁済から1ヶ月ほどで住宅を競売にかける旨の通知がくることになるし、それから半年で実際に競売にかけられてしまう。
だから、6ヶ月間滞納を続ける事は本当にレアなケースかな。

住宅ローン特則を利用するとローンが復活!

住宅ローン特則の利用条件を満たし住宅ローン特則を利用すると、滞納で無効となった住宅ローンが復活する事になります。

これは『住宅ローンの巻き戻し』と言われるもので、民事再生法204条で定められています。

競売通知が出されていてもそれが無効となりますので安心して下さい。

ローンの支払い方法が優遇される!

さらに嬉しいメリットとして、住宅ローン特則では返済方法の優遇を受ける事が可能となります。

【リスケジュール型】

リスケジュール型は延長型とも呼ばれ、最終弁済を最長で10年間延長する事が可能です。

ただし、月々の返済額は大幅に減るものの、利息が軽減されるわけではないので返済総額は増えることになります。

また、債務者の年齢制限もあり、70歳以上まで弁済期間を延長する事はできません。

【元本猶予期間併用型】

個人再生後は再生計画で決まった返済も続ける必要があるため、同時に住宅ローンを返済するのが困難になる場合があるかと思います。

そういった場合には、個人再生後の返済をしている間だけ住宅ローンの元金部分の返済を猶予してもらう事が可能。

ただし、猶予した分、個人再生の弁済が終了すると返済額はこれまで以上に増えることになるので注意が必要です。

【それ以外の優遇措置が有効になることも】

ここまで紹介した方法は、全て債権者の同意を得ることなく利用可能(同意型)。

ですが、債権者が認めるのであれば、より優遇された形で返済する事が可能となります。

例えば返済期間の延長が10年でなく15年になるなど。交渉次第ですが、前項の方法では返済が難しい場合に交渉してみましょう。

滞納している場合の住宅ローン特則の仕組みと、その後の返済方法をさらに詳しく確認

住宅ローン特則と清算価値の関係

次に、住宅ローン特則が与える清算価値への影響を確認してみましょう。こちらも非常に重要です。

住宅ローン特則を利用すると、住宅ローンを個人再生の対象から外す事が可能となりますが、ローンの残債と住宅の時価を比べて住宅の価値の方が上回っている場合には個人再生後の返済額が増える可能性があります。

例えば、住宅ローンの残りが1,000万円だった場合。

もし、住宅の時価が1,500万円と判断されれば住宅の価値の方が500万円上回っているので、500万円が清算価値に足されることに。

この状態をアンダーローンと言う。

清算価値とは、貯金や車、有価証券など資産の価値を換価した合計の金額です。※換価とは売った場合の値段(実際に売る必要はない)

それとは別に、最低弁済額という基準があり、それと比較し、高額な方が個人再生後の返済額として決定します。

【最低弁済額】

500万円までの借金は100万円に、
1,500万円までの借金は5分の1に、
3,000万円までの借金は300万円に、
5,000万円までの借金は10分の1に。

つまり、もし、残りの住宅ローンより住宅の時価が大幅に上回ってしまった場合には、個人再生後の返済額も大きく上がる可能性があるということに。

再生債権の合計が600万円の場合、最低弁済額は5分の1の120万円に。

ですが、住宅以外の清算価値が100万円で、アンダーローンの差額が400万円ある場合には、清算価値の合計が500万円で、個人再生後の返済額が500万円という事になります。

これでは、個人再生の意味がほぼありません。

本来であれば、残っている住宅ローンを支払うだけで住宅に関する支払いは終了しますが、アンダーローン状態で個人再生をすると、本来支払わなくていいお金が住宅から発生してしまうようなものです。

そのため、アンダーローンの差額によって、個人再生が適さない状態になる可能性が考えられます。

フルローンで組んでいる場合には、そこまでアンダーローンになる事もないんだけど、
頭金を大きく入れた場合や、お金に余裕があって前倒しで支払った時期がある場合などは、アンダーローンになっている可能性も十分考えられる。

個人再生は、抱えている資産が大きいほど返済額が増える方法です。ローン以上の価値があるものが資産としてカウントされてしまうため、住宅ローン特則を利用しても返済額に影響を与えてしまいます。

なんだか、多く返済をしてきた人の方が損をする仕組みに感じてしまいますが、ルールに則って清算価値を算出するしかありません。

まとめ

個人再生では、住宅ローン特則により住宅を残す優遇措置が用意されています。

ですが、状況によって、利用できないケースや利用しても意味がないケースがあるという事になります。

実際に、住宅にどの程度の価値が残っているのかなどは、ケースバイケースとなりますので、いずれにしても、まずは弁護士に相談するようにして下さい。

借金問題のプロに相談することで、個人再生が適した方法となるのか見えてきます。

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