任意整理は債権者に直接交渉をして、利息や遅延損害金のカット、返済スケジュールの見直しを行う作業になります。
そのため、“交渉を上手く進める”事がとても重要。
そこで必要になってくるのが借金問題のプロフェッショナルである弁護士の力です。
任意整理は、自分自身で手続きを進める事も可能ですが、個人で交渉を行うのは限界があり、多くの場合不利な条件に終わってしまいます(経過分の利息のカットや遅延損害金のカットなど)。
その点、弁護士に委任すると、一定の好条件を獲得してきてくれるので、弁護士費用を支払ってでも金銭的メリットが大きくなるでしょう。
しかし、弁護士には依頼を断る権利があり、必ず任意整理の依頼を受任してもらえるとは限りません。
今回は、受任してもらえない理由と、受任してもらうための方法について確認してみましょう。
任意整理の依頼を弁護士が断るのはある程度決まった理由が多い。
逆に考えると、それをクリアしていれば問題なく仕事を受けてもらえるよ。
弁護士が依頼を断る理由とその対策
弁護士が任意整理の依頼を断る理由はいくつか考えられます。
いずれか、あるいは複数の項目に該当するかもしれませんので、その原因を一つ一つ改善していきましょう。
働いていない・収入が少ないと受任されない
任意整理は、和解成立後に3〜5年かけて残った借金を返済する必要があります(利息や遅延損害金がカットされるものの元金は基本的に返済)。
そのため、一定の収入がないと和解後の返済ができないと判断され依頼を断られてしまいます。
具体的に源泉徴収票や給料明細を確認される場合や、口頭で確認されるだけの時もありますが、いずれにしても収入が全く無い場合や少なすぎる場合は受け持ってもらえないでしょう。
弁護士は、「依頼者は月々〇〇円の返済まで可能」といった形で債権者に交渉をしますので、和解後に返済できないようなことが起こると、弁護士と債権者の間で成り立っている信頼関係も崩れてしまいます。
「前回も前々回も、「〇〇円の返済は可能」といって和解したのに、結局返済されていませんよね?今回も返済できない依頼を受け持っているんじゃないですか?」
債権者側にこういった感情を抱かせると、弁護士としても仕事が円滑に進まない事態になってしまうんだ。
だから、返済能力の有無は依頼時に確認されてしまう。
ただし、収入が必要だからといって、必ずしも正社員やフルタイムである必要はありません。
パートやアルバイトでも一定の収入があれば、受任してもらえますし、重要なのは、返済に捻出できるお金を用意できるのかどうかということ。
任意整理後の返済は、多くの場合で、5万円前後である事が多いので、そのためにアルバイトを始める人も少なくありませんし、それでも十分返済可能な例が多くなっています。
仮に、これまで収入が無い状態であっても、「返済のためにアルバイトを始めた」と、弁護士に伝えるだけで受任してもらえる可能性がグッと高まるはずです。
対策としては、少しでも収入を確保して依頼に行くという事になります。
そもそも債務整理に力を入れていない法律事務所
全ての法律事務所が債務整理に力を入れているわけではありません。
なにより、弁護士費用は高額なイメージですが、任意整理は最安で5万円ほどの報酬しか発生しないので、弁護士としてはあまり美味しくない仕事です。
そのため、中には債務整理を一切担当していない法律事務所もありますし、案件を厳選し滅多に受け付けない法律事務所もあります。
ただ、その一方で、債務整理を専門にしている法律事務所も数多くあります。
そういった事務所は、手続きにも慣れており、単価が安い分、数をこなす事で利益を挙げますので、案件を選ぶという事も最小限しか行いません。
任意整理の具体的な報酬についても確認してみよう。弁護士費用は高額というイメージだけど意外に安く済むよ。
それに、自分で手続きした場合より、良い条件で和解できるから、金銭的メリットも最終的に大きくなる事が多いんだ。
⇒自分で手続きした場合と、弁護士に依頼した場合の費用の違い
病院にも、耳鼻科や眼科があるように、法律事務所にもそれぞれ専門分野があるという事です。
事前に、債務整理に力を入れている法律事務所なのかを調べておく事で、受任してもらえる可能性が高まります。
個人間や個人店が相手の場合や任意整理に相応しくないローンだと担当してもらえない事が多い
任意整理は、利息や遅延損害金をカットして残った借金を3〜5年で返済する方法。
そのため、高金利で無い場合や、もともとの返済期間が長い借金には有効ではありません。
個人間の借金に悩み弁護士に任意整理の相談に行っても、個人間では利息が明確に設定されていない事が多い上、個人間に弁護士が入ると話がこじれるケースが多いため、ほとんどのケースで受任してもらえません。
また、住宅ローンやカーローンに関しても、もともとの返済期間が5年以上など長期間の場合が多い上、金利がそこまで高くないため、任意整理をするメリットがほとんどありません。
それに、担保となる住宅や車も手放す形になる事が多いのでデメリットの方がはるかに大きくなります。
任意整理は、利息がカットされ返済総額が減る債務整理の一種であるという事も十分に理解して手続きを進める必要があります。
こういったメリットがないケースでは任意整理を利用する事ができないと考えておきましょう。
もし、個人間の借金や住宅ローンなどの返済が苦しいようでしたら、任意整理ではなく個人再生や自己破産を選ぶ必要があります。
それぞれの効力は任意整理とは比べものにはならないほど強力。その分、デメリットも大きいけど、返済が苦しいようなら検討してみよう。
⇒任意整理と個人再生の違い
⇒任意整理と自己破産の違い
弁護士に信頼できないと判断された場合
任意整理の期間は、3ヶ月〜半年ほど。
少なくとも、その間は、依頼者と弁護士の間に信頼関係が成り立たなくてはなりませんし、信頼できないと判断されれば断わられてしまいます。
例えば、最初の面談の段階で矛盾した事ばかりを言えば「嘘を平気でつく人」といった烙印を押され、受任してもらえないかもしれませんし、
任意整理の相談後、新たな借金をするような人も、任意整理では改善不可能と判断されてしまうでしょう。
整理開始後に勝手なことをされては、まとまる話もまとまりません。
そうなってくると、弁護士も働き損になりますし、依頼者を救済するという目的も達成できません。
債務整理はもともと、契約通りに返済できなかった人が利用するので、自分勝手な人も多い傾向にあり、弁護士もそれを警戒し、面談の段階で見抜こうとします。
実際に、そういった理由で受任されないケースや、受任後であっても辞任されてしまうケースが少なくないのが現状です。
面談の段階で重要になってくるのは、“自分の置かれている状況を伝えて、今後どう改善していくのか”という事をアピールすること。
「お金は払うんだから受任してくれるでしょ」といった感覚で面談をしても、その考えは見抜かれてしまうでしょう。
任意整理は、面談後すぐに結果のでることではありません。長期間に渡り交渉をする事になるので、そこには信頼関係が必要不可欠。
また、法律事務所によっては、任意整理の和解成立までではなく、返済終了までのアフターフォローを信条としている場合もあります。
その法律事務所の気持ちにどう応えられるのか。それを依頼者側もしっかりと考える必要があります。
最後に
任意整理は、最も手軽に利用できる債務整理とされますが、以上のように弁護士に受任してもらえない可能性も考えられます。
ただ、いずれの理由も対策はそこまで難しくないので、原因を改善し改めて弁護士に相談しましょう。
その場合は、一度断わられている弁護士でも構いません。改善がされているのであれば受任してもらえるはずです。
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