「債務整理の相談を直接したくないから電話で済ませたい…」
「地元の法律事務所は気まずいから遠方の事務所に依頼したいけど行くのが大変…」
これらの理由で“直接弁護士に合わないで債務整理の依頼を済ませたい”と考えるケースも少なくありません。
ですが、日弁連の規定で、債務整理の際には個別面談が必須と定められており、基本的に面談なしで債務整理を受任してもらえるという事はありません。
また、面談を担当するのは事務員ではなく、依頼者の債務整理を受任する『担当弁護士』である必要があります。
もし、「電話だけで受任してもらえた」「法律事務所で事務員にしか会えなかったけど受任してもらえた」といった状況になった場合は、法律事務所を検討しなおした方が無難。
節度を守らず利益求めている、あまり良い法律事務所ではないと言えるでしょう。
債務整理は、今後の人生に大きな影響を与える分岐点。料金や手軽さだけで選択するのではなく“信頼できる弁護士”に受任してもらうということも重要です。
昔は面談不要だったが悪質な受任が多く、面談が定められた
わりと最近まで、面談なしでも債務整理を受任してもらう事が可能でした。
しかし、電話だけや事務員に任せた面談では、債務整理を依頼する債務者の事を完全に把握するのは不可能。
本来であれば、債務の状況を把握した上で、適した債務整理の方法を弁護士が案内するべきなのですが、この最も重要な部分が欠けている状態です。
そのため、依頼者の生活再建ではなく、金儲けに走ってしまう法律事務所が増えてしまいました。
結果として依頼者の生活が債務整理後も改善しない場合や、再び債務整理に陥ってしまうこともしばしば…。
特に過払い金問題が発覚した2007年ごろには、とにかく多くの依頼を受任して、法律事務所で働く事務員が過払い金請求を行うという徹底した効率化で弁護士がほとんど関わらない事も多くなっていたとされます。
このような方法で運営された法律事務所は莫大な利益をあげましたが、その反面『弁護士のモラル』について議論されるキッカケにもなりました。
弁護士も慈善事業ではなく仕事ですから、利益を求めるのは当然のことです。
しかし、弁護士は法律に関わる特別な立場を有します。独占士業である以上は、依頼者の立場にたち一般的な目線で物事を考えていく、そういったモラルを問われるのは当然の事と言えるでしょう。
このような事情もあり、2011年に債務整理に関する規定が定められました。
規定にはさまざまな内容が含まれていますが、弁護士と依頼者双方に最も大きな影響を与える規定が『弁護士の直接面談が必要』という部分です。
規定の内容とは?!面談以外にも従来と変わった点
2011年にできた規定は、債務整理事故処理の規律を定める規定と呼ばれます。
従来の利益だけを求めた経営体制を抑止するためのもので、基本的に依頼者側にメリットのある事が多く定められているのが特徴です。
具体的にどういった点が規律として決まったのか確認してみましょう。
面談は担当弁護士が行う
前述の通りですが、まず、電話での受任や事務員との面談ではなく、弁護士との直接面談が必要になりました。
また、別の弁護士ではなく、あくまでも担当する弁護士が面談を行う必要があります。
依頼者の債務状況を把握しない事には適切な債務整理をできませんので、モラルと職業倫理の観点からこのようなルールが決まりました。
遠方であっても面談を必要とする
遠方の法律事務所に依頼する人も多いかと思いますが、『遠方である』という事情があっても面談を無くす理由とはなりません。
これを認めてしまうと従来のように電話での受任が横行してしまうので新しい規律の意味が無くなってしまいます。
依頼者に不利益になる点も十分な説明をする
債務整理は、借金が減額や免責になる効果がありますが、その分、デメリットも少なくありません。
これらのデメリットについて依頼者が十分な理解を得る必要があるのは当然の事ですが、規律が新しくできるまでは、これらの理解が必ずしも十分なものではありませんでした。
直接面談をする際には、『不利益についても十分な理解を得る必要がある』基本的な事ですが、新しい規律で改めてルール化した形となっています。
報酬に関する項目をできるだけ明確にする
弁護士報酬には医療費のように決まった金額がありません。
普段から弁護士を利用する人はあまり居ませんよね。「弁護士費用は高い」という漠然なイメージの中で債務整理の依頼をすると、「当初の予定では〇〇円だったけど、最終的には△△円になってしまった…、でも弁護士費用ってそういうものなんだろう…」と、高額な報酬を支払ってしまいがちです。
ましてや、債務整理をした場合は、依頼者側がどの程度の支払いが可能なのかが弁護士側に丸わかりな部分もあり、それに合わせて高額な請求をされてしまう可能性もあります。
報酬が決まっていないというのは恐ろしいもので、法律事務所によって倍ほど費用が異なる可能性も十分考えられるのです。
こういった報酬体系のため、債務整理事故処理の規律を定める規定では、事前の面談の段階で過去の例などから出来るだけ分かりやすく必要になる費用を説明するように定められました。
これも、弁護士のモラルの観点から定められたルールと言えます。
これらの項目が守られていない法律事務所は避けた方が無難
日弁連に登録していない弁護士なら電話でも受任可能?!
日弁連が定めた規定であれば、日弁連以外の弁護士には関係のない話では…?という疑問が浮かぶかもしれませんが、日本国内すべての弁護士は日弁連に登録をしているので、全ての弁護士に共通した規定となります。
日弁連(日本弁護士連合会)は、1949年に設立された法人
会員は、全国52の弁護士会および弁護士・弁護士法人ですが、日本全国すべての弁護士・弁護士法人は、各地の弁護士会への入会と日弁連への登録が必要になる。
こういった事情から、
- 電話での受任
- 直接面談なし
- 報酬に関する説明がない
これらに当てはまる場合は、依頼しない方が無難でしょう。
規定に反する=弁護士法の法律違反、という事ではありませんが、依頼途中で業務停止になるような事があるとダメージは計り知れません…。
それに、債務整理は人生の大きな分岐点です。やはり、真っ当に仕事をしている弁護士さんに受任してもらうべきなのは言うまでもないはずです。
面談をしたくない人も1度は面談を必要とする
面談が規定になっているとはいっても、中には「借金問題を直接話すのは…」と、面談に抵抗がある人も少なくないかもしれません。
ですが、規定は依頼者側の意思によって変えられるものではありません。
最初の段階で少なくとも1回は面談を必要としますし、面談をしないことには受任してもらえないでしょう。依頼者側の希望で面談なしで受任できるようでは規定の意味がありません。
しかし、債務整理の種類によっては最初の面談以外は直接会わなくても手続きを進められるケースがあります。
もし、「身近な人にバレたくない」といった事情があるようでしたら、少し遠方の法理事務所まで行くのも有効な手段になってくるでしょう。
時間が取れないといった事情で面談に行けない人は、土日対応の法律事務所を探すなど、なんとか時間を作り面談するようにしましょう。
面談で持っていくもの
面談では持っていく物の指定が事前にあります。
多くの場合、指定されるのは、
- 印鑑(認印)
- 身分証明書
これらの2点。本人確認の身分証明書と、手続きを弁護士に委任するための契約書に印鑑を使います。
それ以外にも、
- 源泉徴収票
- 通帳
- 債務の取引履歴
これらの書類を指定される事があります。
最終的に全ての書類が使われるとは限りませんので、法律事務所からの指定があったもの以外をわざわざ用意する必要はありません。
ちなみに、債務の取引履歴を無くしている場合でも、債権者側から取引履歴の資料を取り寄せられるのでさほど支障はないでしょう。
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