借金の返済が難しくなると、
「なんとか返済せずに逃げ切る事はできないだろうか…??」
という疑問が浮かぶ事もあるかと思います。いわゆる『踏み倒し』と言われるものですね。
先に結論を言うと、踏み倒しをするのは不可能ではありませんが、さまざまなハードルがあるので、実際に逃げ切るのはやや困難です。それにデメリットも多すぎます。
具体的な内容を確認してみましょう。
住所や電話番号を変えると債権者は連絡が取れなくなる
今でこそ問題にはなっていませんが、かつては、消費者金融の取り立てが厳しく、音信不通になる人が少なくありませんでした。
音信不通になる理由は、住所や電話番号を変えると、消費者金融からの督促・取り立てが止まり、借金返済を迫られる精神的苦痛から逃れられるからです。
これに関しては、今でも有効で、基本的に住民票を移さずに債権者にもその旨を伝えなければそのまま取り立てが止まる可能性があります。
取り立てが止まるという事は、実質踏み倒した状態ですね。
しかし、住民票を移さないという事は、健康保険への加入も困難になりますし、仕事を探すのも難しくなるかもしれません。また、賃貸を新たに借りるのも難しいかもしれません。
『踏み倒し=不便な生活』
取り立てが止まるかもしれませんが、それでも充実した生活が待っている訳ではないのです。
実質、債務整理と同じデメリットが!新たな借金はできない
取り立てから逃れ新たな生活をスタートさせるには、当然、お金を必要とします。
しかし、既に借金の返済が出来ていない場合は、信用情報には事故情報が残っている可能性が高く、新たな借金をするのは難しいでしょう。
事故情報とは、いわゆるブラックリストの事ですが、債務整理をしなくてもブラックリストにはなります。
返済が1日でも滞るとその記録は信用情報に残り、それだけでも新たな借金が難しくなりますし、
返済日から61日あるいは3ヶ月経過すると『異動』という記録が残り、債務整理をした時と同じように事故情報という扱いになります。
踏み倒しをした人は、既に借金ができない環境である可能性が高いということです。
この情報は信用情報機関同士で共有され、いかなる手段の借金でも確認されるので、消費者金融だけでなく銀行からもお金を借りられなくなります。
時効に持ち込むのは難しい…その理由は?
借金には時効があります。
時効になるのは、督促や取り立てがあった最終日からカウントして5年間。つまり、踏み倒しをして、その後、5年間、一切返還請求がなければ時効が成立するという事になります。
そのため、考え方によっては、時効が成立する5年後が踏み倒しの成功という事になるかもしれませんね。
しかし、実際には、時効まで持ち込められない可能性も十分考えられます。
理由は、裁判所で訴訟を起こされてしまうと、その地点で時効のカウントは中断し、
それどころか、裁判で時効が中断すると、その後、時効までの期間が10年間伸びてしまうからです。
その後も、踏み倒し行為を続けても、再び裁判を起こされてしまえば、10年間伸びる事になりますし、それを繰り返されてしまえば永遠に時効は成立しません。
逃げまわるような生活を永遠に続ける事はできるでしょうか?
おそらく、最終的には取り立てをされていた頃より精神的に疲れきってしまい、踏み倒した事を後悔してしまうでしょう。
もちろん、時効が成立するケースもありますが、一か八かで、5年間逃げ切るのは非常にハイリスクなことです。
やはり、借金問題を根本的に解決するには法律に基づいた改善方法『債務整理』をするしかありません。
警察に捕まる可能性は?
踏み倒し行為をすると、
「窃盗罪などで捕まるのでは?」
という不安が思い浮かぶかもしれません。
ですが、窃盗罪は、個人の私有財産を侵害した場合のみに適用されるので、企業から借りているお金を返済しなくても罪には問われません。
そもそも、借金を踏み倒そうとする人は星の数ほどいるので、それを捕まえていては、それだけで刑務所が溢れかえってしまうでしょう。
借金の踏み倒しは、債務不履行と呼ばれ民事事件として扱われます。これに対して警察が動くという事はできないのです。
ただし、返済する意思なくお金を借りた場合は、詐欺要素が疑われるので、その限りではありません。
おそらく、踏み倒しをしようとする人でも、1度は返済をしているはずです。少しでも返済の意思を持って借金をした人には詐欺罪を適用するのは非常に困難なので捕まる心配はないと考えて問題無いでしょう。
踏み倒しのデメリットより、合法的に借金問題を解決する債務整理がおすすめ
借金の踏み倒しをして時効が成立する可能性もゼロではありませんが、
デメリットの大きさやリスクを考えると、けしてお勧めできるものではありません。
それよりも、債務整理をする事で合法的に借金問題を解決した方が、その後の暮らしも楽になりますし、経済的更生にも有利になります。
消費者金融などの借金で多く利用される債務整理は任意整理ですが、元金の返済を必要とするので人によっては利用しづらい方法となるかもしれません。
もし、元金の返済が難しいのであれば、債務が5分の1になる個人再生や、全ての借金なくなる自己破産なども有効な手段となってきます。
効力が大きいほどデメリットも大きくなりますが、それでも踏み倒すよりは、その後の生活再建には有効になってくるはずです。
任意整理の効力とデメリット
任意整理は、債務整理の中で唯一、裁判所を通さずに債権者に直接交渉する方法です。
和解の内容は交渉次第で決まり、利息等がカットされ元金を全て返済する形で決着する事が多くなっています。
返済期間は、原則3〜5年ですが、これも交渉によって決まります。
基本的に、弁護士に受任してもらい、代理人として交渉を進めてもらう事になりますが、弁護士費用をかけたくない場合は、自分で任意整理することも可能です。
また、元金の返済を必要とするので、一定の収入がないと弁護士に受任してもらえないケースが多くなります。実際に、収入を事細かに確認される事もありませんが、アルバイトでも構いませんので収入があるのが望ましいでしょう。
任意整理の最大の魅力は、債務先を選択して整理可能ということ。
返済に困っている消費者金融などを選んで整理することが可能で、自動車ローンや住宅ローンを除外する事により、自動車や住宅を残したまま借金問題を解決できます。
生活への影響が少ないことから、会社や家族にバレずに任意整理する人もいるほどです。
個人再生の効力とデメリット
個人再生は、裁判所に申立をして手続きをすすめる事になり、消費者金融だけでなく、自動車ローンや友人・知人からの借金なども整理の対象となります。
借金の返済は、
債務の5分の1の金額(最低100万円)、もしくは、持っている財産の価値、いずれか高い方となります。
例えば、600万円の借金を個人再生する場合
600万円の5分の1は120万円ですが、
持っている(ローンのない)車に、150万円の価値があるとしたら、
返済するのは150万円という事になる。
自動車ローンは、車が担保となっている事が多いので、自動車ローンを個人再生すると車を引き渡さなくてはなりません(車検証の所有者欄が信託会社などになっている場合)。
ただし、一定の返済をするので、住宅資金貸付債権に関する住宅ローン特則により、住宅ローンのみ個人再生からの除外が認められています。
除外した場合は、住宅を手放す必要がないので、個人再生へのハードルもグッと低くなるはずです。
ただし、その場合は、従来通り住宅ローンの返済をする必要があるので注意が必要です。
自己破産の効力とデメリット
自己破産は、最も効力の強い債務整理の手段で、抱えている借金が全て無くなります。
ただし、免責不許可事由があり、それに該当する場合は、免責の許可がおりない可能性が考えられます。
免責不許可事由は、賭博や浪費、債権者を害する目的とした財産の処分や隠匿などで、自分勝手な理由や悪質なケースでは借金が免責にならないとされているのです。
ですが、実際には、これらに該当しても裁判官の裁量で免責の許可がおりる事が多くなっています(裁量免責)。
過去の統計を確認しても、97%は免責の許可がおりているので、余程のことがない限り免責となるでしょう。
また、自己破産は、借金が全て無くなるという圧倒的に強い効力を持っているので、その分、デメリットも大きくなります。
住宅に関しては、ローンの有無に関わらず任意売却や競売の対象となりますし、自動車はローンを組んでいない場合でも時価20万円以上の価値があると判断されれば処分の対象です。
その他にも、貯金や有価証券、返戻金のある生命保険なども、1点につき20万円以上の価値があると処分の対象です。
処分され得られたお金は、債権者に平等に分配されることになります。
借金がチャラになるのに財産を持っているのは矛盾しているので仕方のない事ですが、他の債務整理に比べてハードルが高い方法となっています。
踏み倒しを検討する前に弁護士に相談を
債務整理は、借金が減額もしくは無くなりますが、合法的な手段となるので、その後も取り立てを受けるようなことはありません。
また、弁護士に受任してもらい、その通知を債権者に出した地点で取り立てが止まります(受任通知)。
踏み倒しでも、上手く行けば時効が成立しますが、それまでにはさまざまなハードルがあり、あまり現実的ではありません。
やはり、債務整理をして、真っ当に借金問題を解決するのが最善でしょう。
そのためには、1日でも早く借金問題のプロである弁護士に相談するようにしましょう。
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