生活保護を受給していても、時には借金の返済が難しくなり、任意整理を検討する場合もあるかと思います。
しかし、残念ながら生活保護を受給しながら任意整理をするのは非常に困難です。
厳密に言うと、生活保護を受給しながら任意整理をする事は法律上可能となるのですが、以下の理由により近年は、任意整理を理由に生活保護の受給がストップする事例が増えています。
生活保護の給付金には用途の制限がない
テレビなどで、生活保護を使ってギャンブルなどをする人が多いという事が話題になり問題とされていますが、
厳密にルールから考えるのであれば、生活保護の給付金に用途の制限はないので、違反行為となっている訳ではありません。(もちろん、倫理的な問題はありますが…)
そのため、整理後も返済を必要とする任意整理をして、生活保護の給付金を返済に充てる事も法律上はなんら問題ありません。
任意整理後の返済
任意整理とは、利息や遅延損害金をカットして元金を3〜5年で返済する方法です。
そのため、債務整理ではありますが、整理後も返済を続けなくてはなりません。
生活保護を受給している人は、必然的に給付金を任意整理の返済に充てる事になります。
その一方で世間の目は厳しさを増している
近年は、
「生活保護が本当に必要なのか?」
「使い道がギャンブル等はおかしいのでは?」
といった事がテレビで特集され、世間の生活保護に対する目は厳しさを増しています。
実際に、納税する立場で考えると、税金で生活しているのに、働かずにギャンブル等をする生活が許せない気持ちは十分理解できますし、当然のことです。
こういった国民の民意に後押しされ、法律上は用途の制限がされていないものの、従来以上に、生活保護の用途について細かくチェックされるようになりつつあります。
正直、パチンコ等は本人の監視でもしない限りは防ぎようもないのですが、任意整理の返済はどうでしょうか?
税務署等は、その事実を確認できますし、パチンコ等と異なり、詳細が簡単に把握できてしまいます。
国民感情としては、生活保護という税金から得られる給付金を借金の返済に充てる事は許せないという意識が高まっているのです。
民意によって実質制限がされてしまう!
生活保護は、役所の判断によって成り立ちますが、任意整理の返済が法律上問題ない中で問題視するのは、やはり前項のような国民の民意が影響しています。
本来であれば、自分で稼いだお金で借金を返済するのは当然のことですね。国民のほとんどがそれを実践して生活しているのに、税金を使って借金を返済するのは支離滅裂の状態とも言えます。
もちろん、身体に関わる理由で正当に生活保護を受け取っている人に対する感情ではありませんが、
近年は、不正に生活保護を受給している人が多いというのも国民感情の厳しさが増す要因です。
実際、パチンコを打てるのであれば、全ての仕事ができないという事はありませんからね。
このような事情で、役所は国民感情の後押しによって、生活保護の用途に対して厳しい監視をするようになりました。
「法律上の問題がなくても、税金で借金を返済するのは許せない」
働いて生活をしている人にとっては当然の感情でしょう。
生活保護の受給が停止する例が増えている
以上のような理由により、役所は、
生活保護受給者がそのお金を使って任意整理をしていることを把握した場合、受給を停止・あるいは、申請を却下する判断を出すケースが多くなっています。
法律上の問題がなくても国民感情によって役所が厳しい判断を下す傾向が強まっているのです。
更に、別の視点から考えると、
債務整理には、いくつかの種類がありますが、
借金が全て無くなる自己破産は効力が強い分、住宅を手放すなどデメリットが大きくなります。
一方、任意整理は、元金の返済を必要とする分、財産の処分もありません。
効力は大きくありませんが、今後の生活を考えるのであれば、できることなら任意整理で借金を整理しておきたいところ。
しかし、働いていても元金の返済に回すお金がないのであれば、自己破産などを選ばざるを得ません。
その一方で、生活保護という税金から得られるお金で任意整理をする人がいたらどう思われるでしょうか?
働いている人は、資産を失うのに、働いていない人は、資産を失わずに税金で借金を片付けられるという矛盾が生じてしまいます。
こういった視点から考えても、生活保護を充てて任意整理の返済をするのはフェアな事ではないのです。
生活保護を受給している場合は、自己破産を検討
生活保護を受給している人でも任意整理をする事は可能ですが、生活保護の受給が停止してしまっては、その後の生活が成り立ちませんね。
そのリスクを冒してまで任意整理をするのは正しい判断とは言えません。
やはり、生活保護を受給しながら債務整理するのであれば、自己破産が最も有効な手段となるでしょう。
自己破産は、全ての借金が無くなるので、生活保護が関与しません。
また、働いている人が自己破産を利用した場合も、同じように返済を必要としないので、任意整理と異なり、国民感情でNGとされることもありません。
自己破産には、前項のようにデメリットが多々ありますが、それでも人によっては大きなダメージなく、利用できますし、
生活保護の受給をしているという現状から考えても、任意整理を利用して今後も返済を続けていくより、一旦借金を無くして、経済的更生をしていく方が、ずっと建設的と言えます。
まずは、弁護士に相談を
実際に、どういった手段が有効で、どういった手段が利用可能かは、借金の大きさや資産によって異なるので、最終的な判断は、借金問題のプロである弁護士に相談しながら決める必要があります。
借金問題は、1日でも早い対処が必要です。
債務整理するかどうかは別として、まずは、相談だけでもしてみましょう。
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